ネチカ 〜野良学的秩序によって証明された〜

世間をゴロニャンと斬りまくる、ネコの哲学、だったけど最近は日記。




ソウルあちこち 4日目

2019年4月30日(火)
夜0時過ぎに起きて東大門の南平和市場(N.P.H)に再挑戦。この日は開店しています。妻のバックと私の仕事用のバックを購入予定。
地下1階のフロアーから順繰りに商品をチェックしていきます。深夜なのに以前来た時よりもお客さんが増えた様子。混雑とまではいきませんが、通路は人が一人通るのがやっとの狭さなので、わりと難儀。
韓国の最近の流行は合成皮革のバックにビニールの透明フィルムを同じ形にもう一度カバーしたもののようで、色々な種類が目を惹く場所に置いてあります。
B1と1Fを一通りチェックして、妻はバックを3点、私は2点購入。1つの商品がだいたい28000ウォンから35000ウォンで、高くて45000ウォンといったところ。卸売市場なので小売りはしてくれない店もありました。
ホテルに戻り仮眠して、というか買い物がサクサク進んだので、改めて寝直す。
といっても朝8時過ぎには起きて朝食を食べに市庁(シチョン)駅へ。
干しタラのスープの定食屋さんへ。このエリアでは人気店らしく、ちょっとだけ行列に並んで席に着く。
優しくてうすめの味付けで、アミの塩辛を入れて味を調節するそう。韓国の人は二日酔いの時に好んで食べるそう。これは沁みる。ネギとアミをごま油に漬けたふりかけがごはんに合う。おかわりしてしまう。

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日本人の観光客も多く、食べ方を聞かれた妻が説明したり。お店の人にちょっと感謝されたり。
食後に歩いてソウル市立美術館に移動。

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ここで開催中のデイヴィッド・ホックニー展を観るのが今日の目的。一昨日、地下鉄で乗り換え中に偶然看板を見かけ、ぜひ観ようということに。大好きで、一番影響を受けている画家なのに展覧会を観るのは初めてなのでした。

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今回は初期の作品からニューヨーク時代の版画、アクリルを使った水しぶきや肖像画の一連のシリーズや、ごく最近のキャンバスを大量に繋いだ巨大作品など。回顧展とまでは言えないけれど、有名どころがコンパクトに、といってもかなりのボリュームで(彼は多作なのだ)展示されています。ただ重要なポラロイドのフォトコラージュシリーズが皆無だったのが非常に残念なところ。小さめだろうと思っていた絵がかなり大きく、大きいだろうと思っていた絵が小さかったりしました。
素描の天才でありながら、非常にロジカルであり、そして拡張された視点をもつ。改めて圧倒される。
図録は発色がイマイチだったので購入せず。ちなみに持っている画集「ホックニー画集 ひとつの回顧」(リブロポート刊)は、あんがい色の再現性が良かったんだなと確認。
ソウル市立美術館はなかなかオシャレで居心地の良い空間。

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出たところに面白い彫刻がありました。

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オフィス街のランチ時なので、ホワイトカラーな人々がわらわらと出てきています。ちょっと混雑を避けるため、しばしカフェでコーヒータイム。

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お昼はさっき干しタラのスープを食べた店の隣にあったスンデ屋さん。
ランチメニューのスンデのスープをいただく。まあまあ美味しい。オフィス街なので、昼からお酒はやめておく。
お土産等をまとめ買いするためにemartを目指して往十里(ワンシムニ)駅へ。
確かに大きなスーパーなのだがお目当てのものがことごとく無く、諦めてソウル駅のロッテマートで買うことに。
それはそれとして店員さんが商品コーナーをハンドフォークで移動しているのを見てたまげる。
妻が「時間が掛かるし一人で買いに行く」とのことで、私は一旦ホテルに戻る。
とはいえヒマなのでやはり一人でグルグル散歩。
小学校の図書館にこんな小説があったのを覚えています。
夕方、ふと街角を曲がるとまるで知らない場所に出てしまう。歩いても歩いても全く知らない町。街行く人に話しかけても言葉が通じない。よく見ると看板の文字も似ているが微妙に違っていて、読もうとしても読めない。そんな不思議な街に迷い込んでしまう話。子供の頃にそんな街に行ってみたいなと憧れていました。panpanyaさんの漫画の中のような世界。
コウゾ市場では大根やたらの芽、ガンギエイやイカが売っている。ガンギエイは韓国版くさやみたいなもので、かなり臭い珍味だそうです。

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ロイヒを売っているのを発見。あらまあロイヒでライヒ。後で妻に聞くと日本の湿布とかは韓国で人気なんだそう。

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コウゾ市場の天井には大量の万国旗が掲げられていて、3年前に訪れたときは日本の旗だけは除外されていた。ちょっとさみしいが仕方ないかなと思っていたけれど、今回みると日本の旗も普通に各国の旗の間にまじって掲げられていました。

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ホテルに戻ってしばらくして妻も買い物から帰ってくる。
晩ご飯は鍾路3街(チョンノサムガ)の焼肉通りでサムギョプサル(豚の3枚肉)。
隣駅なのでのんびり歩いて行く。と、どこも満員で入れません。私たちも待っているのも「ダメダメ」と拒否されたが、韓国人の娘さん達や若者の群れがネバってても「ダメダメ」と拒否されてたので、これはムリだと諦める。

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仕方ないので地下鉄で鍾路5街に戻って、コウゾ市場の屋台にするか、韓国のウナギ屋さんに挑戦するか。
とりあえず様子見にとタッカンマリ通りの並びに、店頭の水槽でウナギやドジョウ、ナマズなどヌルヌルしたのが泳いでいる店があったので、そこに入ってみる。
今日は一日、干しタラのスープやスンデのスープと、新しいメニューが続いたのでちょっと心配。
二人前を注文すると普通な見ためのウナギの蒲焼きが登場。それにパンチャン(おかず)色々。キムチ、ウリの和え物、ショウガ、紅ショウガ、黒ゴマ、ニンニク、ラッキョウエゴマの葉、サンチュ等。つけダレに味噌、醤油にショウガの千切りとワサビが入ったの。

かなり食べ方が謎。

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とりあえずひと口ウナギを味見すると、醤油にコチュジャンとか色々入っていて、日本の味付けとは違うが、悪くない味。

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やはり韓国式にウナギをエゴマの葉とキムチその他と一緒に巻いて食べてみると、これが美味しい。ウナギ本来の甘さとクリーミーさが引き立つのだ。私はエゴマの葉にキムチ、ニンニク一切れ、ワサビ醤油少々といった組み合わせが気に入りました。
で、「ラッキョウはどうなのよ」とエゴマの葉にウナギとラッキョウを試してみたら、これも衝撃的に美味い。さらに味がクリーミーになります。私は普段ラッキョウは苦手なのですが、唯一コレはいけます。
日本でコレをやったらぶん殴られるような、冒涜的な食べ方ですが、これは新しい発見。韓国でないと出来ない食べ方。
ソジュとビールでバクダンを作って、クイクイいってしまいました。
値段は失念しましたが、まあウナギだしそれなりの値段。が、日本で食べるよりは安いといったところ。
ちなみに、他の海鮮屋台で見かけたウナギはもつ焼き風に各自で焼いていたので、色々な食べ方がありそうです。
ホテルに戻って後は寝るだけ、と思ったら妻が「韓国のロッテリアって味が違うんだよね」と悪魔のささやき。
結局、買いに行ってしまいましたとさ。

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ホテルに落ち着くと、今日の買い出しで妻が「ガンギエイも買って来たよ」とさらにささやく。

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キムチと一緒に食べると、それほど臭くないとのことなので、キムチを巻いていただいてみる。
確かにそれほど臭くないが、くさやと同じようなコクが口の中に残ります。コリコリと軟骨を楽しむような感じでした。