ネチカ 〜野良学的秩序によって証明された〜

世間をゴロニャンと斬りまくる、ネコの哲学、だったけど最近は日記。




指の間を通り抜ける風

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2019年3月4日(月)
この日は平和島のアルバイトは休み、家で仕事(雑誌のページレイアウト)。
アルバイトの時と同じように早朝に起きて作業し、昼食前には作業を終えて見本を送信。
昼食後、録画してあった映画『パプリカ』を観る。
3時過ぎに編集者からOKのメールがあり、完成データを入稿。
その後は『富士日記(上)』(武田百合子著)などをまったり読書。

2019年3月5日(火)
朝起きると、寝ている間に着信が数件。電話の主からLINEのメッセージで新規のお仕事の依頼。
そそくさと返信し平和島に出勤。
昼食時のLINEのやり取りで、次の日に打ち合わせする事に決まる。
LINEで仕事の段取りをするのは初めてなので、不思議な気分。

2019年3月6日(水)
平和島で仕事の後、新規仕事の打ち合わせのため関内へ。
居酒屋なども多いが、わりとオフィス街っぽい町並み。
東京だと新橋あたりが似た感じでしょうか。

2019年3月7日(木)
一日中雨。
仕事をする時ヒートテックタイツを脱いでみたが、まだちょっと寒かった。
帰宅すると『みちのり 冬号』が仕上がって献本が届いている。
なかなか良い仕上がり。

2019年3月8日(金)
久々の晴天。爽やかで気持ちいい。京急の各駅停車で平和島に向かう途中、鮫洲駅の急行通過待ちで、ページをめくる指の間を風が通り抜けるようでクラクラする。
ただしやっぱりヒートテックタイツをはかないでいたのでちょっと寒い。
バイト先の大将(私の部署のチームリーダー。もう還暦の人。他にもジジイ、おとーさん、組長などその日の気分によって呼称を変えている)が所望していたので、仕上がった『みちのり 冬号』を1冊持っていく。
「サバは旨そうだが、これは豚丼か」「ちげーよ平目の漬丼!ここに書いてあんでしょ!」などと言い合いつつ、照れ隠しをしつつ。
帰り道の夕焼けも綺麗。

2019年3月9日(土)
お休み。
請求書を作ったり雑事諸々。
まったりとこれを書いたりしている。
今日は何も起こらなそうなのでこれでUP。
下のは妻が先月買って来て美味しかったカヌレの写真。
巨大アポロみたい。

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カメレオン品川

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2019年2月28日(木)
来なくなって心配していた同僚が久々に出勤。
しばらく実家の仕事を手伝っていたそうで、これを機に実家の仕事を中心に、こちらは週一ペースの出勤になるそう。
夕方頃から他の部署のヘルプに入り、そのまま30分ほど残業。
夜は夫婦で外食。もんじゃ焼きを食べる。鉄板の調子が悪く、あまり美味しくない。後半なんとか持ち直す。

2019年3月1日(金)
この日は京王線と山手線で人身事故により、ダイヤが大幅に乱れている。
どの線も普通より混んでいる程度。かなり早めに出勤するようにしているので、若干遅くなったが影響なし。
仕事を終えて同僚とコンビニでお酒を買って軽く飲む。

2019年3月2日(土)
仕事はお休み。
妻は朝から妹の家にお呼ばれ。姪っ子のひな祭りだそう。
私はお留守番。
ブルーレイで映画『ボーダーライン』『シン・ゴジラ』『フルメタル・ジャケット』。

2019年3月3日(日)
平和島へ出勤。
この日はレギュラーの人員が少なく(平時の半分)、さばかなければならない商品数も多い。
午前は新人二人の教育を1時間ほど担当。缶ビールと瓶ビールをカゴに5トンほどピックアップ。
午後は2時間半の残業含めて10トンほどピックアップ。久々に疲れる。
帰りの京急線でうつらうつらしていると、品川駅が巨大な青色のカメレオンになってしまう、という夢を見る。
夢の中ではソレはわりと普通のことで、「とはいえ趣味は良くないしやり過ぎ。まあ宣伝ってそんなもんか」と妙に納得しているという話。最近こういうわけのわからない夢を瞬発的に見る。
その後、乗り換えた電車では目が覚めたので引き続き電車内読書『千のプラトー(中)』。
ただし少しこんがらがって来たので、読んでいた章「ミクロ政治学と切片性」を冒頭から読み返す。
スピードを出して読み進めるとリズムに乗って夢中になる。
帰宅すると今日はひな祭りだということもあって、蒸し寿司などごちそう色々。
ありがたい。

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便意アイデンティティー

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2019年2月27日(水)
朝の電車内読書『千のプラトー(中)』。
「ヌーヴェル三編」から「ミクロ政治学と切片性」へ。
ミクロファシズムの話が非常に面白い。
平和島に到着して職場まで歩いていると、急にお腹が痛くなる。
「大丈夫、流通センターまではもつでしょう。だいたい便秘の時はウンでもなければスンでもないんだ」
と、考えつつさんさん歩く。
歩きながらふと考えると、お腹やお尻の人格は「ウンコが居ます、さあさあ出しましょう、とっとと出しましょう、出すぞコラ!」なわけですが、頭のほうの私としては「ちょっと待て、今はダメだ、後もう少しなんだ、慌てるな、我慢出来るよな」などと必死で思っているわけです。
「感覚と思考って分裂してるよなぁ」などと思うわけですが、はてさてなんとか我慢して、職場のトイレに駆け込みセーフ。
職場に着くと、今度は京急の上り線がストップしているとのこと。私は下り線なので何の影響もなし。

さみしくなること

2019年2月25日(月)
早朝、中央線・総武線ストップしている。私の通勤には関係ないので、影響なし。山手線が混んでいるという事もなし。
仕事を終えて、同僚とコンビニでお酒を買って外で飲む。そのうちの一人は他の部署の若者だが、今日でここの現場は辞めるという話。建築会社に就職したんだそう。ちょくちょく会話し、冗談も言い合う仲だったので、さみしくなる。ふざけて似顔絵を描いたりもした。
まあ、派遣の仕事は人の入れ替わりは激しいし、若い人は長く居着く場所でもないので、仕方ない。
職場の人には私の本業は話していて、連絡事項を書き込むホワイトボードに、遊びで皆の似顔絵を描いたりしている。

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これは少し前に描いたその一部。

いたずらで描いたので出来は酷いですが。

この中の一人はもう来なくなってしまった。またもう一人は一度辞めて就職したが、また戻って来た。それからもう一人は突然来なくなって、皆が心配している。

2019年2月26日(火)
早朝、平和島駅から職場へ向かって歩いていると、流通センターの方角からたくさん人が歩いて来る。
夜勤明けの労働者とは雰囲気が違い、スーツケースやカートを引いているので、どこかの会社が大規模な研修か何かをするので、移動してるのかなと。それにしてもちょっと違うなと不思議に思う。
職場のある流通センターの倉庫に着いて、同僚からモノレールがストップしていることを知らされる。
なるほど、今朝すれ違った人々はモノレールで羽田を目指していた乗客で、流通センター駅から慌てて京急平和島駅まで歩いている人達だったのねん。
我々の職場の人間も数名遅刻者が出た。
二日続けて近場の交通機関が止まっていたが、どちらも私には影響なしでした。

2018年のおさらい。

2019年2月24日(日)
仕事はお休み。
外出はせず一日中家で過ごす。
夜、食事しながら録画しておいた『まんぷく』をまとめて観る。

さて、以下に2018年の主なイラスト仕事のおさらい。
散歩の達人2018年6月号 緊急大特集 立石 堀切 綾瀬』14〜15ページ。
「呑んべ横丁周辺、大図解」取材・文・イラスト。

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散歩の達人2019年1月号 大特集 大宮 浦和』(発行は2018年12月21日)18〜19ページ。
「意外と遊べる大宮公園」取材・文・イラスト。

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散歩の達人はこの2記事。
どちらも各方面の反応は薄かったので、評判はイマイチだった様子。
本人的には「一番新しいのが一番良くなっている」と思っているのですが。

それから交通新聞社が手がけるみちのりホールディングスのPR誌『みちのり』(季刊)にて「ごちそうパレット」の連載。

東北各地のグルメをイラストルポで紹介するページ。みちのりホールディングスの高速バスのシートのポケットに差し込まれているそうです。まあJRで言えば『トランヴェール』みたいな冊子。
去年は「夏号 会津若松

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「秋号 鹿沼

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「冬号 平泉」。

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なので2018年は出張仕事が多かったです。
本来、グルメ記事は料理を写真で紹介すれば十分で、わざわざ料理をイラストにする必要はないのだけれど、不思議と成立してしまっているページ。写真と仕上がったイラストを見比べると、「自分にとっては好ましい感じでイラストのほうが良くなっている」様には見える。
クライアントさんと各店舗の方々には好評なようです。
今年の春号は1月に八戸を取材し入稿は済ませていて、現在出来上がりを待っているところ。
各取材先の四方山話はまた別の機会を設けて書こうかと思います。

寝られないのと寝ないで映画と

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おひさしぶりです

唐突ですが

2019年2月20日(水)
とても寝付きが悪く、布団の中で「眠れてないなぁ、困ったな」とは思っていたが、焦ったりイライラして起き上がる事もなく、そのまま朝になってしまった。一晩中意識が途切れることが無かったけれど、朝起きてみると意外に疲れがとれている。
そのまま平和島の派遣のアルバイトに向かってピッキング作業。夜明かししたような疲れはなく、特にミスもない。
お弁当を食べて、午後はさすがに少し眠くなる。
前日に「日記をつけたいな」と思って、「少ない時間の中で出来るだろうか」と思いつつ、やれる範囲内で軽くつけようと思い立つ。
なので書いています。

2019年2月21日(木)〜23日(土)
千のプラトー(中)』、平和島と自宅間の朝と晩の電車内で読書。
その前まで栓が詰まったように前に進まなかったのだけれど、この数日間は意外と捗る。
朝は前日の数ページをおさらいしつつ先に読み進み、晩には眠さでウトウトしつつ先を読み進め、次の日の朝おさらい、といった繰り返し。「顔貌性」から「ヌーヴェル三編」のあたり。顔貌性は上巻の「言語学公準」や「記号の体制」から顔の役割についてまとめたもので、「ヌーヴェル三編」は『差異と反復』で語られる時間の三つの総合について小説の形式を応用して語られるもの。
土曜日の夜は妻が近所にある実家へ。私はお留守番。映画『用心棒』『椿三十郎』『十三人の刺客』と時代劇三本を観る。

AとKの話なんか大っ嫌い

遅ればせながら
2018年2月も終わろうとしていますが、ふとした時に、生きているぞ、活動しているぞ、などとご報告をさせて頂ければと。
さて2017年は前回5月のご報告以降、雑誌『散歩の達人』では順調にお仕事をいただいておりました。
以下にそのあらましを。

 

散歩の達人10月号』柏・松戸・流山大特集(2017年9月21日発売)
手賀沼一周20kmポタリング」(63〜65ページ)。

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千葉県の手賀沼を取材しました。

担当編集者さんによると手賀沼は特集圏外の我孫子駅が玄関口ですが、柏市にかかる部分も多いということで組み入れることにしたそうです。
ランナーの人にはおなじみの場所みたいですが、私は全く知りませんでした。

東京から快速約40分で到着。そこには広々とした大自然が広がっています。基本はポタリング(自転車を使って、ゆったりと散策することを最近はそのように言うそうです)がおすすめなのですが、歩いても楽しいです。私は編集者さんと自転車で1日、単独の歩きで1日取材しました。
担当編集者さんと散策していると結構ネタが豊富で、手賀沼に向かう途中にある『白樺派』の文豪達の邸宅跡も含めて紹介すると、2ページだと足りないのではとの判断で急遽1ページ追加され、全3ページに。

 取材時の8月末頃はまだ暑く、水田の稲穂が青々と眩しい時季。沼には野鳥が多く生息していて、鵜、鴨、カイツブリ(たぶん)、白鳥などが多く、とくに白鳥はかなり近くで眺めることができます。というか白鳥のフンがそこら中にあります。
フンづけました。

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間近に白鳥が

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足下に茶色くポツポツ見えるのが白鳥のフン

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昼寝してる猫と

治水設備なども多く、緑の中にポツポツとマシニックなものが設置されていたりもします。巨大な送電鉄塔の隊列がサイクリングロードと交差していて、この眺めも圧巻。「北千葉導水ビジターセンター」から流れ出す美しい奔流はずっと眺めていても飽きないです。

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鉄塔をたくさん描き込む

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ヨーロッパ風の風車もあり

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「北千葉導水ビジターセンター」から流れ出す奔流

イラストはとにかく緑を爽やかに仕上げたいと思って作成し、それにはある程度成功したのですが、沼本体の色を濃くしすぎて大失敗。後にPhotoshopで沼の色だけ大幅に修正しました。
そしてイラスト完成後、あまりにも楽しかったので妻も伴って10月に再訪。描いたイラストMAPの印象と、実際の風景にあまり違いがなかったので一安心。
心残りは『白樺派』関連の史跡などをもっと詳しくレポートできれば良かったなと。

個人的には『杉村楚人冠記念館』がオススメです。

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後日、妻と再訪

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コ・ビアンのチキンカツ定食

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『大正煎餅 木川商店』 あげせんべいがオススメ

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スワンボートもあり


 

散歩の達人12月号』川越・秩父大特集(2017年11月21日発売)
「クレアモール徹底案内」(22、23ページ)。

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 観光地川越の蔵造りの一帯ではなく川越駅前からつづく商店街クレアモールの紹介。
10月頃の取材だったのですが、とにかく雨に降られて難儀しました。編集者さんの案内で訪れた丸広百貨店の屋上遊園は、日本国内屈指と言って良いほどの規模(とはいえどのアトラクションもミニサイズでカワイイ)。なのですが、どれも雨で乗れず。でも皆さんにはぜひ楽しんで欲しいなと紙面では紹介。youtubeにアトラクションに搭乗した映像があったので見てみると、これまた楽しそうで悔しいかぎり。

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丸広百貨店』の屋上遊園地がすごい

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THETAでパシャリ

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雨降りで難儀

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丸広の向かいの『西雲寺』は静かで落ち着きます

商店街の『大澤陶器店』はとにかく品揃えが豊富で、そのマニアックさは京都丸太町の『京陶器ハセガワ』と張るぐらいです。ただしハセガワさんはデットストックなので安いですが、大澤陶器店さんは新品なのでお値段は高めです。
一週間後に妻を伴っての再取材を試みた日もやはり雨。けれども再訪した『大澤陶器店』さんで素敵な箸置きを発見、『KOME山田屋』さんでごじる豆を購入、『靴の早川』の看板の女の子を発見などして、なかなかよい材料を集めることができました。
イラストはとにかくギュッと詰め込んで、一見して派手な感じにしようと心がけました。

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妻が作ってくれた「呉汁」

後日、妻が買ってきたまめで「呉汁」を作ってくれました。
心残りは近所だったのに『斉藤ごぼう店』を紹介するのを忘れたことです。
惜しくも川越ランデヴーならず。

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『大澤陶器店』の箸置き

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小江戸 蔵里(くらり)』で色々といただく

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発酵食品と地酒の『角屋』

 

散歩の達人2月号』巣鴨・大塚・駒込大特集(2018年1月20日発売)
駒込の4銀座商店街はしご」(42〜45ページ)。

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駒込にある「霜降銀座」「染井銀座」「駒込銀座」「田端銀座」の4つの銀座商店街を4ページにわたって紹介するイラストマップとルポ。
とにかく今までで最大の物量の上に年末年始にかかり、さらに年明け2日から夫婦で韓国旅行に出かけることが決まっていたので、それまでに仕上げなければならないというスケジュール。
今回は編集者さんの要望で飲食店が多めなので食べ物を描くことが多く、上手に描けるか心配だったのですが、おおむねキャプション無しでも見分けられるぐらいには描き分けられたかと思います。とくにいちご大福と豆大福が上手にいったかと。
そしてお店の店主等、人物を多く登場させ、店内の様子を描いたものも入れました。店内の様子を描く場合もやはり360°カメラTHETAは大活躍でした。

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霜降銀座

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駒込銀座

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「あんぱちや」店内

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なんちゃって「純米大吟醸 散歩の達人

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夕方の田端銀座

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あえなく掲載拒否されてしまった某喫茶店のチョコパフェ。抜群に美味い。

そのようなわけで、通常見開き2ページのところを倍の4ページに4つの商店街を詰め込み、いつも締め切りを大幅に遅れてしまっている仕上がりをかなり早めるというチャレンジ。
クリスマスと年越しはサラッと祝って仕事に没頭し徹夜を続けて、1月2日に旅立つ直前の朝6時に完成させて入稿。
途中で妻には「無理だったら旅行キャンセルするよ」と何度も言われましたが、なんとか達成。そのまま頭ぐるぐるで羽田に向かい機上の人となりました。

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「三木酒店」の店内

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生活雑貨「あんぱちや」の店内

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『珍々亭』の麻婆茄子定食

 

さて『散歩の達人』の12月号と2月号を作っている間に、ムックの仕事の依頼を頂き、そちらの仕事もしていました。

 

旅の手帖MOOK『散歩の達人 埼玉』(2018年2月1日発売)
「素敵にディープな西川口」(34ページ)。

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散歩の達人』グループの統括編集長になられた武田さんの案内で西川口を散策しました。
実は20年近く前に2年ほど西川口に住んでいたことがあって、その時は治安が悪くてあまり良いイメージはなかったんですよね。私が妻と暮らしていたのは風俗街がある西口方面ではなく東口を出てしばらく歩いていった所ですが。
で、今回は武田さんの案内で西口方面へ。俗に「NK流」と呼ばれた違法風俗店は姿を消し、跡地は新興チャイナタウンと化していました。
治安がどうとかは別にして、かなり面白い街に変貌。
が、与えられた1ページでは描ききれなかったことが本当に多くて、心残りな部分が多いです。
例えば西川口は商店街ごとの街灯が工夫されたデザインのものが多く、西口だけでも10種類ほどあったのですが、残念ながら全くそのことには触れられず。それからちょっと良い感じの古本屋さんも…。

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地図で軽く触れた「バンコックストアー・アジア物産」の店内

作業は「駒込の4銀座商店街はしご」よりも早くすませてしまい、ここで「やきとり次郎」の店内を描いてなかなかうまく描けたのが切っ掛けで、「駒込の4銀座商店街はしご」でも紹介する店舗の店内を多めに描くことにしたわけです。

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「やきとり次郎」店内

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カスク・アンド・スティル」の女性バーテンダー

ちなみにこのMOOKには2年ほど前の『散歩の達人 1月号』大宮&浦和大特集で掲載された「浦和のレトロ商店街×2を行く」というイラストMAPを再構成して「浦和レトロ商店街を探検!」(30〜31ページ)というタイトルで再録されています。

 

さて2017年の仕事はこのようにあたふたと過ぎていきました。
デザインやイラストの仕事だけでは食べては行けず、派遣のアルバイト(平和島の某酒屋チェーン『K』の倉庫)で凌ぐようになり、生活が激変して妻には苦労をかけてばかりです。
普段アルバイトに出ていることは、以前からの仕事先の人々には、積極的ではないけれども聞かれたり、必要があれば素直に伝えるようにしています。隠そうかなと、ふとよぎったのですが、面倒くさいのでそれはやめました。

以前の付き合いと歴然と変わる人もいれば、変わらない人もいます。
例えば今回「韓国に旅行にいくんですよ」と話したら、「ん?」と、微妙な顔をされる人が何人かいらっしゃいました。
そのようなうっすらとした何かを感じることはありますが、仕方ないです。
普段贅沢せずにお金を貯めて、旅行ぐらい行きますって。とびっきり楽しい貧乏旅行ですけど。

幸いアルバイト先では気持ちよく働けているし、何より安定した収入が確保できるのはありがたい。
毎月の仕事量と収入を気にして胃の痛くなる思いも緩和されたし、クライアントに対して必要以上に媚び諂うことが減りました。何より人が一日働いて得られるお金の最低限の水準というのが自分なりに目ぼしがつくようになったのは大きいです。

ただ自分が今まで「井の中の蛙」だったなぁと思うことは多いです。
例えばアルバイト先の仲間に「本業は何なの?」と聞かれたら「『散歩の達人』って雑誌でイラストMAPを描いてるんッスよ」と自慢げになりそうなのをグッと抑えて言っても、
散歩の達人』を知りません。
コンビニに置いてあるのですが、立ち読みもしてくれません。というか今の人々は本当に雑誌を読みません。
だから最近は思いっきり自慢げに「『散歩の達人』って凄い雑誌で大人気のイラストMAPを描いてるんッスよ。キミ達には分からないだろうけどね、フフ〜ン」と半笑いで言うようにしています。誇張してます。
ちなみにエディトリアル・デザインの仕事もしていることは言いません。さらに説明がややこしいので。
ま、よくわからないけど文化的な仕事をしていて、売れなくて食えてない人、ということに落ち着いています。
「いつまでも夢を追いかけてたって」なぁんて言われてしまったこともあります。
夢じゃないんですけどね。

料理に例えれば出来るだけ美味しいものを提供したいんです。
生きるために食物を接種するだけなら味が美味しい必要なんてないんです。世界から美味しい料理が消えても人は生きていけます。絵や音楽、その他の楽しいものがなくったって生きることは出来る。
でも私は楽しみたいし、色々なことで幸福を感じたいと思っています。
そして私に楽しい絵を描く能力があるのなら、思う存分に発揮したいと思っているだけだし、人を楽しませることが出来るのは無情の喜びなのです。

まとめて活動報告

皆様お久しぶりです。
前にお知らせした『散歩の達人』3月号のお仕事以降、ここ4ヶ月ほど雑誌『散歩の達人』でイラストマップを担当させていただいたので、それらのご報告です。



散歩の達人4月号』大特集 東京ディープ案内(3月21日発行)
「夫婦で歩く吉原」(24、25ページ)。

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吉原遊郭の江戸時代の痕跡をたどりつつ、ソープ街としての吉原(千束3〜4丁目)もひやかし的に観察するという企画。
元々は夫婦で浅草七福神巡りをした時に弁財天を祀る吉原神社を訪れ、その時に通りすがったソープ街の妖しい雰囲気は「見てるだけでもおもしろいなぁ」と思ったのがきっかけ。
何の気なしに企画を出したらそのまま通ってしまったもの。
吉原の鳥瞰図を水彩で描くというチャレンジをしましたが、ほぼ地獄の作業。
最後のほうは徹夜しても周辺のカットが間に合わず、昼のバイトの予定(肉体労働!)を入れていたのでそのまま出勤し。帰宅してからカットに取りかかる。そしてやっぱり徹夜になり、最後はほぼ30分で殴り描き状態になって完成して入稿したのが校了日の朝6時。スレスレに入稿してそのままバイトに出かけ、細かい連絡などは休憩中にすませるという、トンデモない進行になってしまいました。
もうよく覚えてません。

 

散歩の達人5月号』大特集 日本橋 人形町(4月21日発行)
「横山町馬喰町問屋街 マンハッタン的歩き方」(30、31ページ)。

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武田編集長の案内で横山町馬喰町問屋街を散策。
服飾系を中心とした素人さんお断りの問屋街。なのですが小売りをしてくれるお店もチラホラあります。
ビルの外観や取材時(3月24日)の各店舗の様子を可能な限り描き込む。
問屋街なので描くこともレポートすることも難しい場所で、かつ小売りしてくれるお店の情報などは具体的な場所や店名を載せることが出来ないので、かなり苦労してトピックスを工夫して仕上げました。
やはり前回の吉原よりもさらにキツくなりマジ地獄の作業。
けれども編集部の評価はイマイチというツライ結果に…。



散歩の達人6月号』大特集 鎌倉・江ノ電(5月21日発行)
「パノラマ版江の島行脚」(36、37、38、39ページ)。

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以前から江の島のパノラマは自身で発行していた『路地と道くさ』というフリーペーパーでやってみたいと思っていたので、編集部から鎌倉・江ノ電についての企画募集があった時に「ちょっと企画意図とズレるかもしれませんが」と江の島の鳥瞰図を提案したら一発OK。
(吉原の時もそうでしたが「面白いけど間違って通っちゃったらツラくて死ぬ企画」が通っちゃうもんなんですね…)。
しかも4ページ。いつもの倍。
以前から取材時は街をビデオカメラで撮影していたのですが、描く対象の映像を探して再生巻戻しを繰り返すのも相当に骨が折れますが、どうしても撮りこぼしが出てしまう(実際、吉原の時は再取材になってしまったり、横山馬喰町の時は向かいの店舗のガラスに映った姿で対象店舗の様子がわかったりなど)。
なので今後の取材効率化の為に全天球カメラTHETAを購入。

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編集長と一緒に1日、妻を伴って1日と計二日にわたって江の島取材を敢行(THETAのバッテリーが持たないのが主な理由)。
スケジュールをバッチリ組んで作業にあたる。
睡眠1日3時間ほど。1時間作業しては15分の休憩をはさむ(このほうが集中力が持続するのと、腱鞘炎を予防するため)を繰り返す。この体制で2週間、それでもギリギリ校了2日前に仕上げて入稿という結果に。
今までで最大の超地獄の作業。
「一日ぐらいはゴールデンウイークの休暇を」などと甘いことを考えていましたが、全く無理でした。
ちなみにイラストのどこかでちょっとした遊びをしているので探してみてチョ。
ヒントは「アイキャンフラーイ」。

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(紙面で紹介した湘南堂さんの菓子パン。とっても美味しい)

 

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(ばりばりな江の島の猫様)

上記は全て「吉田いつし」名義。

絵だけで読者に娯楽を提供するのって本当に難しくて、
なんと言うか「自分を含めて人が想像するモノの一歩先、一段上」
じゃないと面白いものにならなかったりします。
自ずと自身の能力よりも背伸びしたものを作り出さなければなりません。
これってギャラ云々を考えていると出来ないコトだったりします。
フリーランスの身としてはよくないことなんですけど…。
結果どうしても掛かってしまう時間に対してギャラが安い(雑誌のイラスト記事としては妥当な値段です。念のため。時間が掛かるのは自分のせい)ので大赤字となり、他の仕事のギャラやバイトでなんとかしのぐという状態。
こんな大変な作業をなんでしてるのかなぁと自分でも思うのですが、
「見たことのないものを描いてみたい」という欲望はなかなか理性では抗えないものがあるんですよね。
普通は「さすがにこれは無理」となって出来なかったりするのですが、いつもチョッとしたヒントのようなものが先のほうでチラチラと見えていて「もしかしたら出来るかも」と挑戦してしまい、
なんとかスレスレで完成させています。
その時の「ああ出来たんだなあ」という感慨は、もう麻薬みたいなものです。
もうちょっと続ければノウハウが溜まって少しは楽になるかなぁと思っているのですが、来月は仕事の依頼がなかった(まあこの手の仕事が4ヶ月連続したのも異例なんですが)…、残念。
先のことはどうなるかわかりませんが、希望としてはしばらくは続けて(依頼があればッスが…)この仕事を進化させられたらなあと思っていたりします。

あっ、江の島MAPには猫が登場します。
それからネチカは早く再開せねば、と。

おしらせーヌ川(野川だけど)

2月21日(昨日)発売の雑誌『散歩の達人』3月号(大特集 武蔵野ユートピア三鷹、武蔵境、小金井」)にイラストMAPを3ページにわたって描かせて頂きました。

「はけの道17km一気歩き」という記事です。

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『散達』に登場するのはほぼ一年ぶりです。

今回は水彩でイラストMAPを描くという荒技に挑戦しました。

なかなか面白い仕上がりになったかと思います。

あ、ちなみに残念ながら猫は登場致しません。

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ネチカ232

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お久しぶりです。
さて国家も労働者もどちらも大事だよなと素朴に思ったりするのですが、両翼の話はともかく個人的にはそうしなくてもいい問題も政治問題化しているように感じる昨今です。どこまでが「政治的か」という問題も色々と考察の余地がありそうですが、例えば「ポリティカル・コレクトネス」という言葉はミクロとマクロが直結したような感じがしてしまいます。