ネチカ 〜野良学的秩序によって証明された〜

世間をゴロニャンと斬りまくる、ネコの哲学、だったけど最近は日記。




『君たちはどう生きるか』のウソ、ホント、ウッソ〜ン。

やっぱりこれはネタバレになるかな。
以下、ネタバレあります。
映画を観た人に向けてのお話。

率直に、
私は今までの宮﨑駿にはなかった新しい表現が出てきてのけぞったのですが、
今までの宮﨑さんって、ザ巨匠として作り上げてきた、世界観を構築して凄いものを観せる人で、
どちらかといえば語り口は重厚で、悪く言えば一本調子の人だと思っていたのですが。
あの異世界というか死の世界のインコ人ですか、あのいきなり構築した世界観の中に異質なものを放り込んでくるような、
あんなことあの人するような人に思ってなかったのですが。

いきなり声色を変える。
例えば今まで文楽や歌舞伎だと思ってみていたら、落語になったみたいな。
手塚治虫で言えば真面目な進行の中に突然、ヒョウタンツギやオムカエデゴンスが出て来るみたいな。
ちょっと違うか。
まあ、ああいう異質なものをぶち込んで、落差に酔わせるみたいなアクロバチックな作劇を、
今まで宮崎アニメで見たことなかったんだけど、どうだろう?

あのインコ人の造形って、稚拙なんじゃなくて相当冒険的な試みに感じたんですが。
今まで足し算で構築していた作画方式に、引き算で作る作画方式を入れ込んで、それを違和感なく、というより違和感を感じさせたり、感じさせないようにスムーズにしたりと、行ったり来たりする。

子供の頃、ふざけて「ほんと?」「ウソ」「ええ?」「ホント」「ウソ〜ン」「ウソ」「ええ〜どっち」「ウソホント!」とかいってじゃれてるような、それを絵でやるというかアニメでやってる。
その指示を出す宮﨑さんも狂ってるけど、それを描いたアニメーターもちょっとアレなんじゃないかと。
湯浅さんのアニメが近いのかな。でもちょっと違うような。

そういえばウソホントがないまぜなのはサギに象徴して体現されてますね。

ちょっと村上春樹のカエルくんを思い出したり。

落差で言ったら『フロム・ダスク・ティルドーン』とか『マグノリア』を思い出したのですが、
ちょっと違うか。
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』とかか。
それも違うか。
でも少なくとも私の中ではそれらに近い質感の映画。
指摘している人も多いですが、やはり村上春樹の小説に近いかな。
映画館で感動するのと同時に嬉しくてニヤニヤしていました。

「こんなの作れるんだ、この人」
という感想です。

トレース? トレースっつーのはな、こうやるんだ、バッカモーン!

我ながら挑発的な見出しだ。反省しよう。
反省……

さて、例の人気イラストレーターさんのトレパク事件を機に、人気あるなしに関わらず自らの過去の仕事や行いに「ヤバいものはないか」と心を巡らせた同業の諸氏も多いことでしょう。
私もそうであります。

私の仕事の場合、それが出来ないのと、そもそも意味が無いので自分で撮った写真資料があってもトレースはしていない。
私が仕事で描くのは主に街の鳥瞰図とリアル系の料理の絵。
鳥瞰図の場合はそもそもトレース出来る元絵が無い。Googleマップやアースの3D表示は参考に見ることはありますが、細部が雑なので、絵を見て建物の構造が分かるように描くには現地を取材するしかない。特にTHETAで360度画像をたくさん撮ることが重要です。それを元に一つの画面にわかりやすく再構築します。全ては描けないので端折ったり、必要な建物や道を強調したりしつつ全体をまとめるのです。
そして料理はトレースする意味が無い。全て曲線や粒子、濃淡で構成されている。つまり料理ってほとんどテクスチャーです。
取材時に撮影した写真と食べたときの記憶をもとに試行錯誤しつつ出来るだけ美味しそうに描くしかない。
まあ、ご飯粒とかイクラとか泡とかザラザラした質感とかをトレースしたければそうしてください。
私はしたくありません。
ただ、スケッチした鉛筆画に直接絵の具で描くのは好きではないので、トレース台を使います。
けれども絵の具で描く時に明かりが点灯していると筆のタッチが分からなくなるので、大体の位置を把握したら消灯します。
こまめにパチパチと点けたり消したりを繰り返して作業します。

トレースをしていないとはいえ街中の風景や料理人が作った料理の絵なので、純粋な創作とは言いがたいかもしれませんが、
そんなことを考え出したらキリがありません。

そんなわけで、あんしん、あんしん、
あ。

あった。

あの仕事……。

 

 

 

2006年の事だから、今から16年ほど前の事です。
アートディレクターの松田行正さんから声がかかり、念願の牛若丸の書籍の制作に関わることになりました。
松田さんから「マルセル・デュシャンをトレースしてみない?」と誘われたのです。
『アンフラマンス 梱包されたデュシャン』という書籍の企画。主なデュシャン作品をトレースし箱としてデザインし再構成したもの。各ページに1作品。それぞれにミシン目と折り目が入り、簡単に切り離してデュシャンの箱が作れるというもの。
ちょっとした玩具のような造本。
デュシャンは現代美術、もしくはコンセプチャル・アートの先駆けの人なので、絵画のトレース云々という文脈とはあまり関係がない作品を残した人です。有名な『泉』という作品は、既製品の小便器の向きを変えて、サインをしただけのものだったりします。
私が担当したのは本に掲載する全48作品のうち、初期の油彩画14作品と中、後期の2作品、そして遺作の1作品、合計17作のトレースと箱のデザイン。
その他、少しお手伝いしたのがチョボチョボといったところ。
初期のデュシャンが自ら描いた油彩画などは後に制作されたレディ・メイドやオブジェのエッセンスを構成するものとして、それなりの作家性があると言えるでしょう。
後期の面白いレディ・メイドやオブジェではなく初期の油彩画が担当ということで、
「あらぁ、なかなか面倒臭い題材を……」
とは思いましたが、光栄な事だし是非にとお引き受けしました。

私の前に別のイラストレーターさんがテスト版を作成していて、その人はPhotoshopタブレットを使ってトレースしていたのですが、松田さん的には「こういうのじゃないんだよね」という思いがありました。
松田さんと私の気分的には、当時流行っていた広告の表現が頭にあったと思います。
うろ覚えですが木村拓哉さんの写真を16階調ぐらいでトレースした広告作品だったと思います。
多分Illustratorを使って手作業でトレースしたものだと思います。
その当時、アドビ・ストリームラインという画像をトレースする専用ソフトがありました(後にIllustratorと統合)。
ただこの頃はストリームラインの精度もあまり良いものではなく、手作業でパスを引いていく方が(「パスを切る」という言い回しもありました)仕上がりが良かった。
でもそういった表現を見かけると「これストリームラインでやったんでしょ」と、言われてしまったりもする時代でもありました。
私も当時、ストリームラインがIllustratorに統合されたかされないかのタイミングで、いずれかで実験してみたのですが、やはり手作業の方が良くなりそうだと判断しました。
そんなわけで、私もIllustratorデュシャンの画像を元に、コツコツとパスを引いてトレースしていったわけです。
デュシャンの初期の油彩画は曖昧な表現が多く、どこからどこを区切って線を引くかが難しい。ちょっと迷い込むと延々複雑な軌跡をたどることになります。
なので作業しながらちょっとパスが複雑になり過ぎていると気づくとラフな感じに戻し、いつの間にかまた複雑になってきたのを我にかえってラフにと、行ったり来たりを繰り返しながらの作業でした。
中には「L.H.O.O.Q」など生真面目にトレースしても面白くないものはIllustratorのエフェクトを使って仕上げたりしつつ。17作を仕事の合間に作業して約半年がかり。
最後には松田さんに「エクセレント」なんて褒めていただいたのを嬉しく思ったり。

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そして、
しばらく時間が経って、思い返してずっと引っかかっていた事があるんです。
「やっぱりアドビ・ストリームライン使ったって同じだったのでは、たいして仕上がりに違いはなかったんでは?」
と。
当時散々実験して吟味したのに、時間が経つと自信がなくなるんですね。

これも良い機会です。昔のデータを引っ張り出して、比べてみよう。ストリームラインはもう無いから現在使っているIllustrator CS6の画像トレースと私がトレースしたのを比べてみましょう。
「たいして変わらず手作業でトレースしても意味なかったじゃん」
という事が判明しても、もう16年も前の話。今ならダハハと笑う事ができます。

まずは「洗濯船」という作品の元画像。

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そして私のトレース。
これ結構褒められたヤツ。

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Illustrator CS6の高精度トレース。

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細か過ぎてあまりトレースしたように見えません。
なのでお次に低精度トレース。

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で、各画像の拡大比較。

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なんかあまり変わらないとはいえ私がトレースしたのはCS6の高精度と低精度の中間ぐらいで、なんとなく痒い所に手が届いているような仕上がりにみえます。

お次「画家の父親の肖像」

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その拡大

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これは私のトレースが有利だった物件かな。
次は「ショーヴェルの胸像」の拡大比較。

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これも手でトレースして良かったかな。
次は「階段を降りる裸体2」の拡大比較。

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これはギリギリの線。私のトレースが一番シャープですが、今見ると陰影をもっと単純化すれば良かったかと思います。
そして「(1)落下する水、(2)照明用ガス、が与えられたとせよ」(通称「遺作」と呼ばれる作品)の拡大比較。

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これは最後にトレースしたものですが、個人的には失敗だったかと。
元画像が立体物を撮影した写真だったので、ラインを判定するのに手間がかかると思い、Photoshopのエフェクトをかけてから、それをトレースしたもの。
エフェクトしたのと、これが最後と細かくトレースし過ぎてしまい、全体にあまりトレースした意味がなかったかな……。という仕上がりに。多少、私のトレースが良いかな。自己満足です。

手作業でトレースする意味があるかないかのギリギリを攻めたので、絵の形というか、作家の無意識の部分が掴めたような気が当時はしていました。
ともかく今回のトレパク事件をきっかけに、自己検証してみて良かったです。

この後から、私はトレース作業はたとえ自分で撮った写真でも避けるようになり、さらに絵の中で直線を描く必要があっても定規を使わないという極端な描き方になっていきました。

昨今、巷では「トレース=悪」みたいなことになってきていますが、
場合によってはアリなんですけどね。
そう思ったりします。

で、問題のイラストの人になくて、私のトレースにはあるものって何かなと考えると、絵を描くことについてのフェティシズムじゃないかなと。
私のは創作性は全くないけど作業へのフェティシズムだけはたっぷりあると。
問題の人には女のコへのフェティシュはあるんだろうなぁとは思いますが。

『アンフラマンス 梱包されたデュシャン』という本もデュシャンの画集ではないし、いわばデュシャンへのフェティシズムだけで作られた本。
そう考えるとなんちゅう珍妙な本を当時、出してたんだなと。

ジャコとジョニとコヨとカイとレイ

あけましておめでとうございます。
ここのところジャコ・パストリアスの参加したジョニ・ミッチェルのアルバムが気に入っていて、その中に「コヨーテ coyote」という曲があります。ジョニ・ミッチェルジャコ・パストリアスのごく初期の共演での傑作、というかほぼ二人の代表曲。とてもカッコ良い曲です。
この曲でジョニ・ミッチェルの発音が「カイヨーテ」と聞こえるので、なんとなく「カイヨーテ」で検索したらハイエイタス・カイヨーテ(Hiatus Kaiyote)というバンドが表示されました。
Kaiyoteというスペルなんでcoyote(コヨーテ)とは関係ないようです。
ほほうと思って聴いてみたら、これがビックリ。
フューチャー・ソウル・ユニットということだそうですが、ほぼレイ・ハラカミの音楽をフィジカルなバンドサウンドでやってるような人達。
レイ・ハラカミが亡くなってからふと「ハラカミさんが生きてたら、いつかきっと宇多田ヒカルのプロデュースとまではいかなくても、1曲ぐらいはリアレンジしてただろうから、それが聴きたい」なんて妄想した事があります。
で、このハイエイタス・カイヨーテ。ほぼ宇多田ヒカル・ミーツ・レイ・ハラカミをもっとアグレッシブにして、ミクスチャーソウルにしたような音。ってなんスカそれ。個人の感想です。ボーカルの女性は凄いファッションなんですが、歌声は良い。まあ宇多田というよりは、誰だろう、わかんないや。
まあジョニ&ジャコに似ていなくもない感じ。
ま、ふとネットを歩いて物凄い棍棒にぶち当たる、というか殴られた感じです。
本年も時々宜しくお願い致します。

Outer Wildsとリトルネロ

おひさしぶりです。
世間は色々な有様でございますが、最近痛く感動したゲームについて書きます。
柄にもなくゲームのお話。

ネット各所で口コミでじわじわと評判になっているゲームといえば「ああアレね」と言われてしまう、例の『Outer Wilds』を昨年後半に購入し、飛び飛びで遊びつつ2週前ほどにようやくクリア致しました。
(「例の」とはいえ、ごく一部の盛り上がりなので、多くの方は知らないと思われます)
「万人向けではないが刺さる人には刺さる」「ライトなゲームかと思ったらハードSF」「鬼畜難易度だけれども、頑張ってクリアした人の何割かは生涯忘れられないゲームになる」「クソゲー要素と神ゲー要素が混在し、その両方でもある」などなどの評が代表的でしょうか。
私といえば他のクリアされた方々同様、このゲームの事が頭から離れなくなっています。ツイートやブログ、実況動画など色々徘徊してみるにつけ「クリアした人は高確率でそうなる」と言って良いかと思います。あっさりと次に移行できず、延々と引っ張られ続ける。けれどもゲームの構造上、一度クリアしてしまうと記憶を喪失しない限り、もう二度とあの高揚感は味わえない。なので普段の生活でもちょくちょくOuter Wildsのことを考えてしまい、名前を目撃したり聞いてしまうとソワソワしてしまう。関係ないことも空耳、空目する。いちいちこじつけて嫌がられる。NASAなどの惑星探査機の着陸画像に妙な反応をしてしまう。その動画がモノクロだとさらに反応する。記憶喪失になりたいとつぶやく。実況動画はどれもだいたい常連さんのスナック状態。等々。
一部で「Outer Wildsゾンビ」とされている症状です。

まだプレイされていなくて、今後プレイするつもりであれば、もうこの段階から以下は読まないですぐプレイしてほしい。そういうゲーム。


宇宙探査、ループ、量子力学、ファーストコンタクトなどゲームを構成する各要素はさほど斬新ではないし、何ならそこで語られる物語もさほど奇抜なものではない(私としては「最近ループ物、多すぎ」と思っていて「またですか…」と)。ビジュアルだって昨今のスーパーリアルなゲームと比べるとちょっと見劣りする。けれどもそれらをしっかり連関させちゃんと駆動させると、ここまで斬新なゲーム性と物語になる。そういう驚きがありました。
道具立ては普通だけれどもアイデアとテーマが斬新なゲーム。

ネタバレしない程度にサラリと説明すると(それでもゲームにとって若干マイナスですが)、
主人公は新米の宇宙飛行士で、自らが住む星系を探索する旅に出ます。ところがこの星系の太陽は寿命を迎えており、22分後に超新星爆発を起こしてしまいます。主人公も巻き込まれて死んでしまいますが、ある事がきっかけでタイプリープに入り込み22分前に戻って再び目覚めます。主人公はこのループを繰り返しながら、この惑星系を探索し、崩壊する宇宙とループの謎を解き明かして行きます。
操縦する宇宙船(探査艇)は、無重力と重力空間をブースターを使って移動し、惑星に離着陸するなどわりとリアルに作ってあって難しいです。その分、慣れてくると逆に爽快感があります。
物語を進めるにあたって各所に設置された謎もまたかなり難しいです。「鬼畜難易度」です。けれども各所を丹念に探索するうちに、ひょんな事からパッと明かりが灯るように謎が解けたりした時のカタルシスは素晴らしいものがあります。
ゲームの作者が『好奇心駆動型ゲーム』と言うように、謎解きの爽快感がこのゲームのコアを為し、またそこで解き明かされる物語の意外な展開と疑惑、そして切なさや深さに引き込まれていきます。
このゲームが「ネタバレ厳禁、攻略法も出来るだけ見るな」と言われるのは、上記のような理由からでしょう。
なんの説明も無いまま、いきなりオープンワールドのゲーム世界に放り込まれるので、最初は何をするのかわからず、しばらくは面白さがわかりません。そして無重力空間での探査艇の操作は慣れないと目がグルグル。
そんなわけで途中で挫折する人も多く、そうしたクリアするまでのハードルの高さと、物語の完成度の高さ、そして様々に解釈できるラスト、それ故、クリア後に多くを語りたくなってしまう。
そんなわけで現在Outer Wildsについて考察した様々なブログが日を追うごとに立ち上がっていますが、私も感想と考察を書き残したくなってしまったわけです。
とはいえ先人の方々によってもう大体の考察は出尽くしていますので、ここではあまり語られていないような部分について、コジツケ的にダラダラと記しておこうと思います。

念を押しますが、以下はネタバレを多く含みます。それが嫌であれば読まないで下さい。

 

 

 

私が最初にこのゲームのトレーラーを見た時に(惑星や星系の造形はゲーム的な都合が大きいとは思いますが)、ふと『星の王子さま』的な造形の星々だなあと思いました。そして内容もあの手のファンタジーだとちょっと辛いなと若干躊躇しました。
そんなことは全然なかったんですが。
ただ全く関係ないかというとサン=テグジュペリは飛行士兼作家であり、冒険家的な立場の人でもあり、偵察飛行中に地中海で行方不明となった最後など、多少のリンクはしているかなと。
それ以外に私はTHETA(360度カメラ)のリトルプラネットという、風景を小さな天体状に加工した写真が好きで、ああいう世界を歩き回ってみたいなぁと思っていたのですが、このゲームはそのまんまですね。たぶんこのゲームの作者はリトルプラネットが好きなんじゃないかと。そんなことはないか。逆に考えるとOuter Wildsにハマった人はTHETAを購入してリトルプラネットを作りまくりましょう。
単純にあの惑星系のビジュアルはワクワクします。

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このゲームは、音楽が素晴らしいと評判ですが、プレイする上でも音楽や音そのものが重要なアイテムとなっています。多少ロマンチックでセンチメンタルな部分があったりしますが、それはあくまで盛り上げるための演出やオブラートの部分で、音楽がサバイバルに必要な、切実なものとして描かれているように感じます。実際、口笛や楽器の音を探知しその場所を探すことが大きなカギになっていますし。
「獲得するアイテムやレベルアップがほぼ無いゲーム」とはよくいわれますが、私はこのゲーム、メロディーや音が獲得アイテムの役割になっているんじゃないかと。

このゲームを遊んでいる途中、前からずっと読み続けていた『千のプラトー』という本で、ちょうど音楽について考察している章に差し掛かり、かなりOuter Wildsの音楽に対する考え方と似ているように感じ、私なりの物語の理解にも繋がったので、少し長くなりますが以下に引用してみます。

「I 暗闇に幼な児がひとり。怖くても、小声で歌をうたえば安心だ。子供は歌に導かれて歩き、立ちどまる。道に迷っても、なんとか自分で隠れ家を見つけ、おぼつかない歌をたよりにして、どうにか先に進んでいく。歌とは、いわば静かで安定した中心の前ぶれであり、カオスのただなかに安定感や静けさをもたらすものだ。〈中略〉
II 逆に、今度はわが家にいる。もっとも、あらかじめわが家が存在するわけではない。わが家を得るには、もろくて不確実な中心を囲んで輪を描き、境界のはっきりした空間を整えなければならないからである。〈中略〉声と音の成分は特に重要だ。それは音の壁であり、少なくとも壁の一部は音響的なものである。一人の子供が、学校の宿題をこなすため、力を集中しようとして小声で歌う。一人の主婦が鼻歌を口ずさんだり、ラジオをつけたりする。そうすることで自分の仕事に、カオスに対抗する力をもたせているのだ。ラジオやテレビは、個々の家庭にとってはいわば音の壁であり、テリトリーを表示している(だから、音が大きすぎると近所から苦情が来るのだ)。〈中略〉
III さて、今度は輪を半開きにして解放し、誰かを中に入れ、誰かに呼びかける。あるいは、自分が外に出ていき、駆け出す。〈中略〉身を投げ出し、あえて即興を試みる。だが、即興することは、世界に合流し、世界と渾然一体になることなのだ。ささやかな歌に身をまかせて、わが家の外に出てみる。ふだん子供がたどっている道筋をあらわした運動や動作や音響の線に、「放浪の線」が接ぎ木され、芽をふきはじめ、それまでと違う輪と結び目が、速度と運動が、動作と音響が現れる。」
(『千のプラトー』中 資本主義と分裂症 11 一八三七年 リトルネロについて ジル・ドゥルーズ+フェリックス・ガタリ著、宇野邦一他訳、河出書房新社刊より、317頁)

要約すると「歌はカオスから身を守る方法であり、音は壁をつくりもし、外に出て世界と合流する方法でもある」といった感じでしょうか。
「生き残るための音楽」というスタンスは『千のプラトー』にもOuter Wildsにも共通するもので、ブルースマンやロックミュージシャンなど、ストリートや底辺からの発想(中村とうようっすかね)に感じられて、私は大好きな感覚です。

物語の終幕は他では得難い味わい深いものでした。
言わば「自らが消滅してしまうことを軽やかに肯定的に描いた物語」
そう形容すると小説なら『ガープの世界』、映画なら『アメリカン・ビューティー』などを思い出します。ただこれらの作品はむしろ「だからこそ生きた瞬間を大切にしよう」というメッセージが感じられ、Outer Wildsはそこともちょっと違う。とにかく死にまくるゲームですが、死を恐れるよりもその先にあるものを提示されているように感じる。宇宙の眼でのセッションは消滅することを控えめに、そして静かに祝祭しているように思えました。ロマンチックにも見え、でもかなりシビアーなラストでもあり。消滅は次への架け橋という。ふと、ミクロとマクロが交差する展開から考えて、主人公は一つの精子的なものになって卵子的な宇宙の核と合体、っていう風にもみえたり。
そういえば星系のあちこちにノマイの遺体が転がっているので、死のイメージが色濃い。でもゲームを進めるうちに単なる骨という物体から、ちょっと怖かったり、またはひょうきんにみえたり、そして悲しくなり、最後に愛おしくなってきます。
かなり重いテーマを扱っているにもかかわらず、どこかいつも明るく爽やかです。

さて『Outer Wilds』を気に入ったのであれば、こちらもオススメ、という作品は色々と挙がっていますが、私からは


銀の三角萩尾望都著。全1巻。


白泉社から文庫版も出ていますが、できれば早川書房から出ているハードカバーで読むのがおすすめ。分厚いです。
絶滅した種族の音楽を巡って、過去と未来、何光年もの星間移動をし、崩壊する宇宙の謎に迫る物語。
若い頃から大好きな一冊です。

さて「クリアしてしまうと、もう次は同じように楽しめなくなってしまう」と多くの人が語っていますが、私はわりとスルメのようにちょくちょくしゃぶってます。全ての場所を巡礼するつもりで、丁寧に巡るとまた違った感動がある。
寝かせてはしゃぶり、寝かせてはしゃぶり、をチョコチョコと繰り返していると気がつくと結局Outer Wilds漬けになってるんですが。
今年の夏にNintendo Switchで発売はめでたい。
これを機会に日本語訳をちゃんとし、誤字脱字を直したニューバージョンを全てのプラットホームで是非とも作って欲しいと思っています。
好みとしてはちょっとだけ村上春樹かぶれな感じの文体、もしくは伊坂幸太郎風でどうでしょう。
なんて

あけすけ

アルバイト先の倉庫でたまに仕事の絵を見せたりすると、意地悪で
「へたくそだなぁ」
と、言われるので
「るせーっ!お前にわかるのかっ!オレ様のこの高尚な絵の世界ガッ!!」
とかなんとか、
仲間と笑いながらあけすけに言い合ったりするんですが、
本当に幸せな環境なんだなと。

雑でいい加減でも、目の前でササッと似顔絵を描いて見せたりして
「ホレ見ろ、似てるだろ!すげーだろ!」
とかやれるわけですが、それが出来ない内気さや、
色んな意味でのナイーブさがあったりすると誤解されたり辛かったりするかなと。
職場でちょっと浮いてるある若者は、ネオアコレディオヘッドが好きで
「(ザ・スミスの)モリッシーのせいでこんな人間になっちゃった」と、ポツリと言ってました。
彼は周囲からはかなり変わった自閉気味の人と思われてます。
彼はごく限られた人としか話しませんが、周囲の人を馬鹿にしているわけではありません。
私は音楽の趣味が合うのでたまに会話します。

雑な関係性だと「繊細な世界を育む」のは確かに難しいよなぁと思ったりします。
ただ我々はその場面ごとに会話の解像度を変えながらコミュニケーションをとっているので、
元々雑なわけではないですし、
生きる知恵としてわりと細かく気をつかって判断していたりしています。

「やんのかゴルァ!!」といった怒号が飛び交ったりしつつ、
きめ細やかに人となりを判断していたりする職場というのは、
働く前にはもっとステレオタイプに思っていた私にとっては新鮮な感じでした。

あえて「オメー等にはわかんねーだろけどヨォ!」
てなことを言う場合、
本気と冗談半々で均して平均化させる為だったりしますが、
ネットでコレやると伝わらなくて惨憺たる結果になるかと。
むう。

ともあれそろそろ自宅でのイラスト仕事も終えて、
アルバイトの日々が始まります。

お底抜け

お久しぶりです。
世界は色々と大変です。
皆様はお健やかでしょうか。
私は変わりなく過ごしております。

仕事とアルバイトは現状維持ですし、私の原因不明の患いは原因不明のまま。
お医者さんと一緒に本日、首を傾げておりました。

暗くてつまらない事を書いてもしょうがないので、Apple Musicで音楽を漁っていて一瞬コロナの事を忘れてしまったのでそのお話を。

病院に出掛ける時に、LEO今井さんのアルバム『Made From Nothing』を聴いていて、カッコいいなぁメロディーがグッと来ちゃうなぁ(最近の若者は「エモいなぁ」と形容するんでしょうか)と、病院の待合室でも聴いていました。
病院から帰る時になって、あんまりカッコいい音楽に浸りすぎても居心地悪いので、次はゆらゆら帝国でもと『3×3×3』から『ミーのカー』と聴いて、ちょっと底が抜けたのでもうちょっとと、家に着いてからAbdel Aziz El Mubarak(アブデル・アジズ・エル・ムバラク)さんのアルバム『Abdel Aziz El Mubarak』(名前と同じタイトル)を聴いたんですね。
スーダンの歌手で、アフリカの河内音頭と形容されたりします。
更に底が抜けた所で、「同じタイプのアーチスト」の一覧でふとジャケットが気になってMahmoud Ahmed(マフムード・アーメド)さんのアルバムをちょっと聴いたら坂本慎太郎さん的な妖怪っぽさがあるぞと思い、聴いているのは古い録音の物なのでもうちょっと最近の『Yetbarek - Contemporary Ethiopian Music』というアルバムを聴いたら、もう底抜け。
エチオピアの人みたいです。日本の演歌に似てるんですがもっと陽気にハジけていてリズムが複雑。
気持ち良くスポンと底が抜けて、もの凄いのを発見したとホクホクの午後でございました。
ちなみにこれらの方々はSpotifyでも聴けます。
音楽漁りはアホな方向に行くと思った以上に気が晴れるというお話でした。

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風のように駆け足で

2019年11月28日(木)
この日も朝5時に起きて近所を1時間ほど散歩。
雑誌レイアウトの作業を終日。

2019年11月29日(金)
やはり朝5時に起きて近所を1時間ほど散歩。
この日はスピードを早めて新しいルートを歩く。
雑誌レイアウトの作業を終日。
妻は友達に泊まりがけで会いに行く。私は留守番。
夕食時に映画『メッセージ』を観る。

2019年11月30日(土)
朝5時半に起きて近所を1時間ほど散歩。少し遅く出たので歩いている途中で夜が明け、帰る頃にはすっかり朝の日差し。
この日は比較的ゆっくりと歩く。
最初は細野さんを聴いていたのだが、途中でスティーヴ・ライヒに切り替える。陽が昇る時間は『Music for 18 Musicians』がピッタリする。
雑誌レイアウトの作業を終日。

2019年12月1日(日)
雑誌レイアウトの作業。
昼に妻と待ち合わせて、午後早めに呑み始める。

2019年12月2日(月)
雑誌レイアウトの作業を終日。

2019年12月3日(火)
朝5時半に起きて近所を1時間ほど散歩。芦花公園のクリスマスの飾り付けが綺麗。
雑誌レイアウトの作業を終日。この日で完成。

2019年12月4日(水)〜2019年12月7日(土)
平和島でアルバイト。
残業が多くなって来る。

2019年12月8日(日)
お休み。

2019年12月9日(月)
平和島でアルバイト。
帰りに妻と待ち合わせて駅前の焼きトン屋さん。
開店当初はそうでもなかったけど、暫くぶりに来たらなかなか良い店に変わってました。

さてこれ以降から2月まではまとめて。
12月の始め頃から風邪をひいてしまい、年末に向けて徐々に悪化。
咳がひどくなった頃に血尿が出てしまう。
以前に尿管結石になった時と同じ症状。
私の場合、石が尿管に落ちてきても全く痛みを感じず、ただ血尿が出るのみ。膀胱炎のような排尿時の痛みも無し。
また結石だったら厄介。
風邪は酷くなる一方で、年内の仕事を終えたあたりで妻にも風邪が移ってしまい夫婦でダウンし寝込む。
年が明けて1月1日に薬が無くなり、仕方ないので近所の総合病院に電話し、救急外来でお薬をいただく。
そのままずっとお正月は一歩も外に出ず。結局初詣もせず。
病院が始まる頃に結石の時に手術してもらった中野の東京警察病院に。とりあえず後日CTの検査をする事に。
仕事始めは1日だけ平和島にアルバイトに行き、その後は本業のイラスト仕事で1月中は自宅で仕事。
その間にCTの検査をして結果が出るが、全く異常が見当たらず。血尿も収まっていたので暫く様子を見て、3月にまた受診する事になる。
そこから暫くデスクワークに勤しんでいたら、またもや血尿が出てきてずっと止まらないのだが、締め切りに追われていて病院には行けず。
ちなみにその間にブリッジにしていた歯も取れてしまうが、もう面倒くさくてほったらかし。
とまあ散々な年末年始でした。

さてこの期間に悪い事ばかりでもなくて、妻がセールのうちにPS4をプレゼントしてくれる。ソフトは『ワンダと巨像』のPS4版を買ってきてくれていた。でもPS2の時にそれ買ってプレイ済みなのねん。でもPS4版も映画みたいにリアルになっていて、改めてプレイすると楽しい。後日、本来欲しかった『人食いの大鷲トリコ』を購入してプレイ。
ずっと我慢して待った甲斐あって楽しい。泣ける。

AppleMusicでカリプソニアンのマイティ・スパロウの古いベスト盤にハマる。前から名盤とされるベスト盤LPは持っていて、ちょっと好きだったのだけどAppleMusicで配信されている『First Flight: Early Calypsos from the Emory Cook Collection』と『The Outcast』というアルバムが抜群にカッコイイ。1950〜60年代のモータリゼイション的というかトラフィック的というか、そんな感じの音。改めて好きになる。
アルバムジャケットもとても素敵なデザイン。
それからガラッと変わってソニック・ユース。『GOO』というアルバムを持っていて、わりとよく聴いていたのだが、他のも色々漁って『Sister』と『Daydream Nation』がお気に入りに。やはり改めて好きになる。

冊子『みちのり2019年冬号』の見本版が送られてくる。担当している連載『ごちそうパレット』のNo.7は水戸と大洗。なかなか良い仕上がり。

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とある日、妻がある人に憤慨していた。
「あの人は基本的にブルーカラーの人を馬鹿にしている」との事。
詳しくは聞かなかったが、私の仕事のことで何か言われたのか知らん。
だとしたら申し訳ない。
ふと考えると、私が働いている倉庫では人と競争する事が苦手な、マイペースな人が多いように思う。
そもそも人と競争する事が嫌いだし苦手だから、そういう事は避けて自分なりの居場所を見つけてきたのに、競争したり勝ち負けを決めるのが好きな人々が勝手に「お前は負けたんだから隅っこでおとなしく貧しく生きろ」と言ってくる世の中ってどうなのかなと思う。そもそも勝敗の基準は競争するのが好きな人々が決めてたりする事だし、そういう人々が決めたホワイトだのブルーだののレッテルってまやかしだと思う。
といった事をそのとき考えてメモっていたのでした。
ホワイトカラー&ブルーカラーの語彙を取り違えている気もしますが。
価値のない、使い捨ての仕事と見なされがちという意味では、本業の雑誌レイアウトやイラストの仕事も同じかもしれない。
村上春樹が形容した「文化的雪かき」という言葉が私は嫌いですが、むしろ「文化的使い捨て」という形容が、身も蓋もないですがその通りだったりします。で、それだとさみしいので、なんか捨てがたいものにしたいな、と。
「ポップ」というか「大衆文化」というものの本質は、「基本使い捨てなんだけどそれだともったいない」という案配だと思うので。

1月から2月の頭にイラストや雑誌レイアウトの仕事は片付けたので、久々に倉庫のアルバイトへ。
昨日、妻がまた韓国に行って2日ほどで帰って来ました。

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或る日の芦花公園

受話器が古い

2019年11月9日(土)
引き続きイラスト描き。
カルメンミランダを聴いていると、1930年代のブラジル音楽はラップに近いなと思う(特にショーロ)。曲のコードとリズムに合わせて如何に多くの言葉を喋るか、とはいえ単なる早口言葉というより余裕でツッこんだりもたついたりしながら、音程もどのように優雅に外すかが問われている、という珍しい美意識。ポルトガル語がわかればもっと楽しいだろうけど、わからなくても十分楽しい。格好悪くて優雅にふざけた音楽は反資本主義的(だからといって左翼的なわけではなく)で反高度消費社会っぽくてうっとりするのだなに言ってんだあー楽しい。
ちなみに描いているのはマル秘なとてもファンキーなご飯。水戸はそういうご飯が多い。

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2019年11月10日(日)
日をまたいで作業。深夜2時頃食事を済ませて就寝。
その後、妻が韓国から帰還。
朝起きてから妻に旅行の様子を聞くと、ファン活動に勤しんでいたらご飯を食べる時間がほとんどなく、韓国料理を楽しんで来れなかったとの事。また帰りにロッカーがトラブったり、道を間違えたりで凡ミス続きの旅行だったそうだ。
引き続きイラスト描き続ける。
夕飯は上北沢の居酒屋さん。初めて入るがなかなか感じの良い店でした。

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2019年11月11日(月)
引き続きイラスト描き続ける。
本当はこの日が締め切りということになっていたが、取材日の遅れを取り戻す事が出来ず、完成にはほど遠い。
とりあえず編集部にはその旨のメールを送信。了解してもらう。
新たにお肉を描くのにとにかく悩むが、夕方になってようやくヒントを掴む。
お肉、何度も描いているのになぁ。

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ザンジバルの知る人ぞ知るポップス、タアラブ(Taarab,Tarabu)の音源をAppleMusicで探してみる。さすがに無いだろうと思ったらいくつか珍しいものがUPされていて、前から好きだったバンドの『Black Stars Musical Club Taraab, Vol. 1』というアルバムを発見。タアラブはバンド名と歌手名の記載が別の場合が多いようで、このアルバムはタイトルにバンド名、アーチスト名がKibwana Saidi & Sharmilaという表記。曲の数は少ないが良いのが多い。

2019年11月12日(火)
イラスト描き続ける。
最近のPerfumeのアルバム2枚をダウンロード。ここの所ちょっと苦手に感じていたのだが、久々にまとめて聴いたらやっぱり良い。作業用にはもってこい。
この日も深夜まで。

2019年11月13日(水)
延々イラスト描き。
夜にLEO今井のアルバムをダウンロード。苦しくなるくらいカッコイイ。作業が捗る。ふと「受話器」という言葉が聞こえてきて、あ、この言葉が古く感じる時代が来るなんてと思う。
深夜まで作業。

2019年11月14日(木)
延々イラスト描き。深夜まで作業。

2019年11月15日(金)
延々イラスト描き。
夕方に絵だけは描き終えて、スキャン作業。

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その後、画像の修正とキリヌキ作業を深夜まで。

2019年11月16日(土)
そのまま徹夜して、早朝にかけてイラストのレイアウト作業。
夕方に完成させようやく作業を終える。

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ペンだこをぢっと見る。昔はこの倍ぐらい大きかった

定期の雑誌レイアウトの仕事が入ってきているので、データの整理等。
夕方に上北沢のエスニック料理店へ。

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2019年11月17日(日)
定期の雑誌レイアウトの仕事を終日。

2019年11月18日(月)
定期の雑誌レイアウトの仕事を終日。
全て完成させて入稿。

2019年11月19日(火)
一ヶ月半ぶりに平和島へアルバイト。
ロッカーに置きっぱなしにしていた私物はもう捨てられたかな、と思っていたが全て残っている。
チームリーダーの大将、おっさん、親父、爺などと呼んでいた人が色々あって退職していた。
びっくりな話。
帰りがけに同僚とコンビニ呑み。
大将が辞めた理由を聞くと、色々な事情が色々な具合であったようである。年寄りがアルバイトを続けるのも色々辛いのだ。
帰宅すると16日に仕上げたイラスト仕事の色校正が編集部から届いていたので素早くチェック。今回は全く問題のない仕上がりだったので、そのままの色調で仕上げてもらうよう編集部へメール。

2019年11月20日(水)
平和島へアルバイト。
帰りがけに同僚とコンビニ呑み。
近々に大将と会って呑もうという話に。

2019年11月21日(木)
平和島へアルバイト。

2019年11月22日(金)
平和島へアルバイト。
帰りがけに同僚とコンビニ呑み。
同僚の話によると大将と呑む話はなかなか調整がつかないそうだ。

2019年11月23日(土)
この日はお休み。
上野の東京都美術館に『コートールド美術館展』を妻と観に行く。

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印象派の巨匠たちの代表作が揃う展覧会。主にセザンヌルノワール、マネ、ゴーガン等の絵画が展示されています。
子供の頃に初めて買ったミニサイズの画集がエドゥワール・マネで、その頃からずっと変わらず好きなのですが、実物を観るのは初めて。
お目当てのマネは良かったのですが、さほど感動はせず。興味なかったのに意外に良かったのがセザンヌキュビズムへの影響力や、デュシャンが影響受けていたという話は知っていてもイマイチ実感が無かったのですが、実物を観るとよくわかったりします。そして嫌いではなかったけど期待せずに観たポール・ゴーガンの『テ・レリオア』と『ネヴァーモア』が素晴らしい。特に色あいが他の作家には無いもの。この暗緑色というか月明かりのような夢うつつのような画面は衝撃的でした。
帰りがけに売店を覗くと展覧会図録がとても良いので即購入。印刷された絵の色の再現性が結構良い。本物を観た後では図録の印刷には期待しないのが基本なのだけど、この本は「おっ」となるくらい良い感じです。ただし残念ながらゴーガンの絵の再現は出来ていませんでした。これはまあ仕方ない所。それとスーラの絵も意外に発色がイマイチ。点描の技法は印刷と相性が悪いようです。それ以外のセザンヌゴッホルノワール、マネ等の再現性はかなり良い感じ。あえて難点をあげれば実物よりも若干、発色が派手というくらい。上製に別紙・別判型の別丁数ページにカラー印刷が施された透明フィルムの別丁も数点綴じ込みという装丁。

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なんでこんなに出来が良いのだろうと奥付を見たら印刷は凸版印刷で、展覧会の協賛もしていました。
午後はアメ横の焼きトン。その後新大久保に移動して軽く韓国料理。

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ちなみにこちらはマネの「フォリー=ベルジェールのバー」をモチーフにした立石「江戸っ子」

2019年11月24日(日)
平和島へアルバイト。
この日はなぜだか体が良く動く。

2019年11月25日(月)
平和島へアルバイト。
前日にハリキリすぎたので体がしんどい。
1時間ほど残業。終わり頃には少し首を痛めてしまう。

2019年11月26日(火)
この日から定期の雑誌レイアウトの作業があるので自宅で仕事。

2019年11月27日(水)
朝5時に起きて近所を1時間ほど散歩。
雑誌レイアウトの作業を終日。
夜に妻が私の誕生日を祝ってくれる。

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整理のつかない事

2019年10月9日(水)
10日に地方取材に出かけるので一応バイトは休みにし、資料整理や準備をする予定だったが取材先のお店の情報など編集部から連絡がなく、朝一番にお伺いのメールをすると、返信で今日これからアポを取るとのこと。
それではあまりにも急で、取材先のお店にも失礼になるので、明日10日の取材はキャンセルして、仕切り直して取材日を決めてもらうことにする。
来週は定期の仕事が入ってきて手一杯なので、再来週の21日以降を検討することに。
とりあえず、新規イラスト仕事の文章とラフ作業の続きを行う。

2019年10月10日(木)
新規イラスト仕事の文章とラフ作業。
取材の予定は飛んでしまったが、この日は我々夫婦の結婚記念日なので外でディナー。地方取材と行っても、なんとか早く帰ってくるつもりだったが、まあ余裕があった方が良いので結果オーライ。
例によって近所の『37.2℃(ナナドニブ)』へ。やっぱり美味しい。

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2019年10月11日(金)
新規イラスト仕事の文章とラフ作業。
妻と明日、病院に定期検診に行った帰りに、映画でも観に行こうかと計画していたが、病院から電話があり明日の台風の影響で休診にするとの電話。検診の予約を1週間ずらすことになる。
夜からそれなりに雨と風が強くなる。
テレビでは明日の台風に備えて鉄道各社はほぼ終日運休することを伝えている。

2019年10月12日(土)
新規イラスト仕事の文章とラフ作業。夕方には完成して送信。
台風は午前中は雨風が強かったが、午後は次第に収まってくる。

2019年10月13日(日)
台風一過。雲一つない青空。
関東一帯で様々な被害が報道されているが、我が家の周辺は大きな被害はなかった様子。
前日に予定していた映画鑑賞をこの日決行しようという事に。
新宿で『ジョーカー』と『天気の子』をハシゴ。
我々と同じような考えの人が多かったのか、上映前や始まってからもドタバタと席に着くお客さんで落ち着かない。

さて『ジョーカー』は救いようのないお話の映画でしたが、夫婦一致で好きな映画。
以前の妻ならこのような映画はモヤモヤしてダメな口だったので、意外な反応。
『天気の子』は、救いがあるお話の映画でしたが、夫婦一致であまり好きではない映画。
で、以前の妻なら無条件で絶賛していたタイプの映画なので、やはり意外な反応。
まあお互い年を取っちゃったんだねぇ、と。特に「『天気の子』のようなユースな映画は観ちゃいけないねぇ」等と私が言うと、
「そうじゃぁない、アレは映画としての出来の善し悪しだ」と、妻は無駄な悪あがき。

個人的に感じたのは特に『ジョーカー』は予告を含めて、なんの情報も入れずに観たかったな、というのがあったり。
いや、まあ情報があっても展開が読めない映画だから良いのかと色々考えたり、と。
とりあえず未見の人は以下の感想にネタバレはないとは思いますが、それでも読まない方が良いかも。

『ジョーカー』は色々な意味で境界線を行ったり来たりする映画だと思いました。主人公に寄り添うような描き方に没入していると唐突に突き放されたりして、次に何が来るかわからないのでずっと気が抜けない。そしてドライで居心地が悪いのだけれど、観た後に妙な寂しさというか切なさが残ります。観る人の心をちょっと意地悪に揺らすという部分も含め、笑いをテーマにしている映画、なのに全然笑えない映画、でも大ヒットしているのは奇跡的だなぁと。それと、この映画の下敷きには確実にアンディ・カウフマンのコメディーと人生にまつわるエピソードも入っているんじゃないかと思いました。いわば『キリングジョーク』+アンディ・カウフマン。
観る人の「主人公への共感」を複雑にそして巧みに操作していると思いましたが(白状すると実は私はもっと泣ける映画かと思ってました)、ネットで多数見かける『ジョーカー』についての論評が判で押したように「ジョーカーに共感出来るか否か」に焦点を当てていることには、ちょっと違和感を覚えたり。そう思ってたら、宇多丸さんが的確な『ジョーカー』評をしていて、上下に頭をブンブンと振りつつ流石だなと納得。

対照的に『天気の子』は「主人公への共感ありき」の映画に感じました。
で、イマイチ乗れなかったのはやはり年のせいかと。
「共感ありき」のドラマを低く考えているわけではなくて、例えば主人公へ感情移入していて気がついたらとんでもない狂った展開と世界に持っていかれる『崖の上のポニョ』のほうが一枚上手かなと。あと、歌舞伎のいくつかの演目では感情移入モリモリで展開される阿鼻叫喚に後からゾッとさせられたりする所とか。あと『第9地区』は感情移入の入れ替えなんて離れ業をしていたし。
『天気の子』はそういったところではテーマパークのアトラクションぐらいの楽しさかなと。
ただ主人公が潜り込む編集プロダクションの描写はかなりリアルでグッときました。30年ほど前の若かりし頃、出版業界の底辺を徘徊していた(現在もそうですが)実感として高田馬場や代々木辺りにはあんな感じの編プロやデザイン事務所はゴロゴロしてました。当時はノートパソコンなんてなかったし(せいぜいPC98ぐらい)、あの風景の中に確実に暗室とトレスコがありました。現在でもあんな感じの編プロあるのかしらん。
路地裏や古いビルをやたらに美しく瑞々しく描かれていたりしますが、個人的にはそういった風景は汚いからこそどこか安心してしまうのだし、居心地が悪いから居心地が良いのだ、と変な事を考えてしまったり。
ふと思ったのですが、鈴木翁二さんや安部慎一さんのような寄る辺ない感じの絵柄で描かれてたら、まずドハマりしただろうなと。
ま、そんなのヒットしないでしょうけど。
この辺りの感じ方がモロに「年寄りのたわごと」なのよねん。
ちなみにこの前、今までたまたま聴いてこなかったアジカンのアルバムを聴いてみたのですが、嫌いじゃないというかむしろ好きなタイプの音楽ですが「若いうちに聴いておくべきだった」と思った次第です。

さて映画の後は新大久保に移動して、妻が前から気になっていた韓国式海鮮料理のお店に。
ここはかなり当たりのお店。一番安いコースを選んでも、パンチャン(サービスのおかず)がやたら出てきて、味付けもモロに韓国式。所謂新大久保味ではなくて、まるでソウルで食べているような味。さすがにソウルで食べるよりはお高めですが、これはまた来ようと思える味でした。
トイレまで韓国式だったのはちょっと笑ってしまいましたが。

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ここの所ちょっと贅沢し過ぎかな。家計の事を考えると、もっと節制しないとと思ったりもするのですが、とりあえず今あるお金で美味しいものを食べ贅沢をしておきたいと思ってしまう。
愚かだなと思いつつ、いやいや潤いの為に仕事してるんだもの、明日はどうなるかわからないのだから、今を楽しまないと。
と、整理のつかない事をふと考えたり。
京王線のホームの壁にはライオンっぽいシミがある。

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よくみるとライオン男が

2019年10月14日(月)
この日もお休み。アルバイトの予定を入れておけば良かったと思ったが、そうしなかった。
部屋を片付けたり整理を色々。

2019年10月15日(火)
定期の雑誌レイアウトの仕事が入ってくる。
そのまま作業を進める。
夕方、妻から電話があり、グロッキーだそうなので八幡山町中華で晩ご飯。

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2019年10月16日(水)
定期の雑誌レイアウト仕事を引き続き。
AppleMusicで往年のサンバ歌手カルメンミランダのアルバムを漁る。
細野さんが『トロピカル・ダンディー』で「CHATTANOOGA CHOO CHOO」という曲をカバーしていて、それでカルメンミランダという人をを知ったのでした。
それからしばらく経って、中村とうようさんが『大衆音楽の真実』という書籍に関連したコンピレーションアルバムを出し、その中にミランダの曲が収められていました。その歌声の虜になり、彼女のアルバムを中心にしばらく古いサンバのレコードを色々集めている時期がありました。
レコードは箪笥の奥にしまってありますが、引っ張りだすのが面倒なのでAppleMusicで調べるとかなりの数のアルバムがUPされています。
『Sambas』というサンバの楽曲を集めたアルバムと『The Music of Brazil / Carmen Miranda Collection of 'choros' / Recordings 1930 - 1940』というショーロの楽曲を集めたアルバムが掘り出し物。
ミランダの全盛期の録音が中心で、今まで聞いた事が無かった曲が多くて楽しい。

2019年10月17日(木)
定期の雑誌レイアウト仕事を引き続き。
ふとゆらゆら帝国が気になってAppleMusicでデビューアルバムの『3×3×3』を聞いてみる。これは年取ってから聴いても良い感じ。というか大好き。
調べるとギター&ボーカルの坂本慎太郎さんは私と似たような世代でした(私より若干若い)。

2019年10月18日(金)
イラスト仕事の文字校正や赤字などを修正して送信。
続いてレイアウト仕事。
妻は友達に会うので夜遅くなるそう。
夜遅くに完成。

2019年10月19日(土)
朝に完成させたレイアウトのデータをまとめて送信。
夫婦で阿佐ヶ谷の病院に定期検診。
混んでいて2時間ほど待つ。
週頭の台風の影響かなと先生に聞くと、今日はたまたま重篤患者さんが来て、入院などの説明で朝から大忙しだったのだそう。
私の検査結果はあまりよろしくない。ちょっと節制しなければ。
早めの時間に終わったが、やっぱり阿佐ヶ谷で飲んで帰ろうという事で、まずはパールセンターの銀だこハイボール酒場へ。たこ焼きとハイボールのセットが安い。30分ほど時間を潰して17時頃に店を出て、次のお店を物色。
色々悩んでタイ料理屋さんにしたが、これが大当たり。今まで食べて来たタイ料理の中で一番好きかもしれない。でも辛い。 

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2019年10月20日(日)
部屋の掃除をして、絵の具の準備。
新規イラスト仕事の本番にとりかかる。
イマイチ捗らない。

2019年10月21日(月)
引き続きイラスト仕事の本番。

2019年10月22日(火)
次の日、水戸へ出張して取材なので、その下準備と引き続きイラスト仕事の本番。

2019年10月23日(水)
早朝、水戸へ向かう。急行は意外に混んでいるが、たまたま隣の席がずっと空いていたのでゆったり出来る。

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水戸から大洗に電車で移動。某アニメの聖地になっているらしく、平日の昼間なのにファンの人達が沢山居る。
ファンの人達以外に、妙に似つかわしくないスーツを着た集団がガイドの人につれられてワラワラと移動している。多分、各自治体の人や広告代理店関係者なのか町おこしの参考にと見学に来ているのだろう。アルバイト先の倉庫にもよくこのような集団が来たりしますが、こういうスーツの集団は苦手。
最初の取材先から大量に食べなければならず、水戸市街に戻る時にはもう既にグロッキー気味。
フラフラの体で二件目を取材し、かなりヤバい状態になったので、那賀川を眺めてしばし黄昏れる。
最後の三件目で三品頼んで一品はなんとか完食したが、他の二品は一応は手を付けて味見をしたが一品持ち帰りにしてもらい、もう一品は残してしまった。お店の人に申し訳なく残念に思う。
ただし無理するとリバースしそうだったので仕方ない。久々に拷問のような取材。どのお店も食べた料理は美味しかったので、なんとか食べられたのですが、そうじゃなかったら死んでました。
ベテランのプロの人は、少し食べて味を確認出来れば後は残してしまうのだろうけど、お店の人に悪くてなんとか頑張って全部食べようとしてしまいます。今まで7回取材に行って21店舗中で残してしまったのは2店舗。
頑張っているほうだろうか。
ヘロヘロになりながら、少し間を空けて急行に乗り込み東京へ。でも缶チューハイは呑む。
帰宅してお持ち帰りした一品を妻に食べてもらうと、大絶賛。冷めてても美味しい。

2019年10月24日(木)
取材したお店の写真整理と文章を先にまとめて書き始める。

2019年10月25日(金)
水戸取材の文章の残りを書いて、午前中に完成。
午後から新規イラスト仕事の方に戻って、本番のイラスト描き。

2019年10月26日(土)
ひたすら本番のイラスト描き。
前から気になっていたベルギーのBoogie Belgiqueという人?バンド?ユニット?のアルバムを数点ダウンロード。
アルバム『Time for a Boogie』『Nightwalker Vol. 1』が気に入る。
数年前「Ms.Yutani」という曲のPVで1948年の東京の映像を使っていたのが話題になり、その流れで知ったのでした。
午後に妻と芦花公園へ散歩。
その足で近くのサイゼリアに入り呑んだり食べたり。所謂サイゼ呑み。

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2019年10月27日(日)

引き続き本番のイラスト描き。
お昼に近所のラーメン屋さん。

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そのまま烏山の喫茶店に向かい、保険の外交員さんに会って保険の証書にサインなど。
妻はその後、新宿の美容院へ散髪に。
私は自宅に戻ってイラスト描きの続き。
この日は自宅で私のおススメの映画を観ようという事で、妻のリクエストは「なんか楽しいの」との事。
チョイスしたのは『夜明けを告げるルーのうた』。
妻の感想は「私、もうコーいうのダメかもしれない。『天気の子』もそうだったけど、若さが無くなったのかもしれない」
と落ち込む。あら、残念。
私は最初見たとき「若者向けすぎてちょっとノれないかな」と思っていたが気になって何度か観ると、毎回新しい発見があり徐々に好きになった映画なので、妻にはハードルが高かったかも。子供騙しのように見えて、実は良く出来てるんだけどなぁと。

2019年10月28日(月)
引き続き本番のイラスト描き。

2019年10月29日(火)
引き続き本番のイラスト描き。
夕方にイラストが完成しスキャン作業。
取り込んだ画像を修正しキリヌキしレイアウト。深夜まで。

2019年10月30日(水)
早朝にイラストページのレイアウト完成。
データチェック等を済ませて午前中に送信。
少し仮眠して午後から入ってきている定期の雑誌レイアウト作業。

2019年10月31日(木)
引き続き定期の雑誌レイアウト作業。
夕方に完成して入稿データ送信。

2019年11月1日(金)
この日からようやく23日に取材した水戸のイラストルポの作業再開。
ラフと文章作成作業。

2019年11月2日(土)
終日イラストルポのラフと文章作成作業。
コトリンゴさんの『picnic album 1』をダウンロード。
おめあては「悲しくてやりきれない」だったのだが、このアルバムはカバー集で、他にスピッツの「渚」とかユーミンの「ノーサイド」とか良いのがたくさん、というか全部良い。
レイ・ハラカミさんの聴きのがしていたリミックス『ネイティブダンサー(rei harakami へっぽこre-arrange)』(サカナクション)と『僕は君に恋をする rei harakami remix』(平井堅)の2曲をダウンロード。
リミックスといっても、ボーカル以外のバックの音源はハラカミさんが作り直したもの。原曲と比べるとさらにわかりやすくなるが、この人の特徴的でメロウなコード進行はほんとにウットリする。
これでほぼ手に入る全ての音源が聴けたと思います。
特に平井堅さんの曲は胸いっぱいになる。
ずっとハラカミさんに恋をしているのだ。

2019年11月3日(日)
終日イラストルポのラフと文章作成作業。
Play New Momentsというバンドを思い出してAppleMusicで探して、アルバムとシングル合わせて8曲全ての音源をダウンロード。数年前に手に入れた『引力レコーズ2』というCD付きの豪華なフリーペーパーに入っていた1曲が気に入っていたのですが、ふと思い出したのでした。

2019年11月4日(月)
終日イラストルポのラフと文章作成作業。

2019年11月5日(火)
終日イラストルポのラフと文章作成作業。
高木正勝さんのアルバムを色々ダウンロード。
おおかみこどもの雨と雪 オリジナル・サウンドトラック』が良い。

2019年11月6日(水)
早朝5時に起床して近所を1時間ほど散歩。
本当はもう少し歩くつもりだったけど、途中でお腹が痛くなってきたので早めに帰宅。
終日イラストルポのラフと文章作成作業。
深夜に完成して編集部に送信。

2019年11月7日(木)
水戸イラストルポ、水彩で本番を描き出す。
いつも水彩での描き出しはプレッシャーで頭が痛くなり、吐き気がする。
描くのがどうにも難しい食材とどう格闘したものか、ちゃんと描けるか自信がなくて「ウーン」と唸ってしまう。
夕方近くまで苦しいのが続き、その後徐々に絵が形になりだすと自信がついてきて、夜中にはノリノリに。
なんだか毎度同じパターン。前の日記にもそんなことを書いたような気がしますが覚えてません。

2019年11月8日(金)
引き続きイラスト描き。
この日から妻が韓国旅行へ。
23時過ぎにこの日のノルマを終える。

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写真疑惑事件

2019年9月27日(金)
自宅にて雑誌のレイアウト作業。
午後に新規のイラスト作成依頼の電話が来る。とりあえず引き受ける。
夕方に妻は一旦帰宅し、それから一人で韓国へ。追いかけている韓流スターの誕生日イベントに参加するそうだ。
私はお留守番。

2019年9月28日(土)
早朝に起きて近所を散歩しようと思ったが、眠くて二度寝
引き続き自宅にて雑誌のレイアウト作業。

2019年9月29日(日)
引き続き自宅にて雑誌のレイアウト作業。
作業が捗ったので、夕方に新宿に出かけてみる。
『月がとっても青いから』という曲で有名な菅原都々子さんのアルバムを聴きながら散歩しようという計画。
菅原都々子さんのベストアルバムは大好きなのですが(特に各曲のアレンジが素晴らしく、細野さんに匹敵するぐらいだと個人的には思っています。ま、モロ演歌な曲が多いですが)、自宅で聴く以外、散歩の時は違和感がすごくて、菅原都々子さんを聴きながら歩くのにピッタリの場所はないかしらん、と。
で、思いついたのが「都会の夕方の雑踏」。
チャレンジしてみたら大正解。別の何処か、外国(アジア圏かな)の街角を歩いているような気分というか、ちょっとトリップするような感覚。
映画『AKIRA』のシーンで、近未来の東京の雑踏で大正歌謡っぽい懐メロがかかる場面があって、それが異様にマッチしていたのを覚えているのですが、そのイメージです。

2019年9月30日(月)
引き続き自宅にて雑誌のレイアウト作業。
深夜に妻が韓国から無事帰ってきました。

2019年10月1日(火)
自宅にて雑誌のレイアウト作業。
この日で全て仕上げて入稿を済ませる。

2019年10月2日(水)
平和島へアルバイト。
消費税導入前の駆け込み需要も落ち着ついてきている。それでも2時間弱の残業。

2019年10月3日(木)
平和島へアルバイト。
この日は定時で上がることが出来る。
同僚に私のイラストルポが掲載された冊子『みちのり 2019 秋号』を渡す。
この仕事でアルバイトを1ヶ月休んでしまったりするので、「こんな仕事してるんだよ〜」と皆に見せて納得してもらったりする訳です。
この日は同僚と新宿で呑むことに。
同僚の案内で新宿三丁目のイタリアンの立ち飲み。旨いし安い。今度、妻を連れていこうと思う。

2019年10月4日(金)
新規のイラスト仕事のため、取材に出かける。場所は荻窪
無事に取材を終えて、帰宅。
10月だというのに結構暑く、よく汗をかいた一日。

2019年10月5日(土)
定期検診の為、夫婦で阿佐ヶ谷へ。
病院に到着したら、検診予約日を1週間間違えていたことに気付く。あれまあ。
という訳で一日フリーに。
私は前日の取材で、お店の外観の写真が上手く撮れていなかったので、妻には阿佐ヶ谷で待っていてもらって、念のためもう一度ささっと荻窪に撮影に向かう。サクサク歩くとやはり暑くて汗をかく。
阿佐ヶ谷に戻る電車で、乗り込んだ車両のドアが故障し開かなくなる。点検のためしばらく停車するが結局直らず、駅員さんがドアに故障の張り紙をして出発。阿佐ヶ谷で妻が電車に乗り込んで合流。そのまま新宿へ向かい、この前に飲んだ新宿三丁目の立ち飲みイタリアンに行って、昼呑みとシャレ込むことに。
夫婦で散々飲み食いしてもかなり安い、そして旨い。妻にも大好評。

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立ち飲みイタリアンの残骸

その後、代田橋に移動して気になっていた立ち飲みのお店に移動。ここは味はそこそこだがかなり割高。二度と行かない。

2019年10月6日(日)
新規イラスト仕事の資料整理とラフ作業

2019年10月7日(月)
引き続き新規イラストのラフ作業。

2019年10月8日(火)
平和島へアルバイト。
同僚らの間で広報誌『みちのり 2019 秋号』の私の連載『ごちそうパレット仙台偏』のイラストは写真ではないか論争があったようだ。なので改めてチームリーダーのおっさんとその点についてしばし議論する。
ちなみに全ての会話は半笑いであります。
チームリーダーのおっさん(大将)曰く「人物は絵だとして、このハンバーグとか牛たんのタタキとかは写真をパソコンで切り抜いてパパっと仕上げたんじゃねーのか」
私「ちげーよ!ちゃんと描いてますー。ちゃんと見ろよ!」
大将「えーほんとかよ〜。パソコンでちゃちゃっと仕上げて後は遊んでるんじゃね〜のかぁ」
私「じゃあこれ見ろ、ホレ見ろ!」と、iPhoneで撮影してあった制作過程の一連の写真を見せる。

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コレガ牛たんタタキの制作過程証拠写真だ!

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そして見よ!コレガ、ハンバーグの制作過程証拠写真だ!

大将「ほんとか?これ。すげーな、今度オレの何か描いてもらうかな」
私「すげーだろ。ちなみに描いてなんかやらない」
大将「まあこれじゃぁ、1ヶ月かかるか…」
この仕事が入るとバイトを1ヶ月ほどは休まなきゃならないが、
大将としては休まれるのは困るし、私としてもバイトを1ヶ月休むのは痛いが、しょうがないのである。
大将「まあお前の夢だからしょうがないか…」
私は心の中で「夢じゃないですよ〜〜仕事ですよ〜シ・ゴ・ト」と、ツッコミを入れてます。夢などとロマンチックな話じゃないのだ。
ま、イラストの採算とれてないけど。

会話をしていて、あーやっぱりなぁと色々考えたのは「写真に見えてしまっても困るんだよなぁ」というのと、
でも「写真より魅力的に見えてないとこの連載、成立してないし」という自負があったりして、と。
大将の言葉「写真をパソコンで切り抜いてパパっと仕上げたんじゃねーの」というのは恐ろしいことにプロの編集者ですら思っているかもしれないし、そこまででなくても「写真に見えるんなら、わざわざイラストにしなくったって良いじゃん。写真で」と思われることは、ままあることだなと。

料理写真をキリヌキ処理にしてページを構成することも悪くはないかもしれません。仕上がりとしてはPOPEYEのようなカルチャーっぽい若者向けの仕上がりになると思います。
好みによりますが、私が目指しているのは「爽やかでどことなく古風な感じがするページ」なのですが、それが成功しているかどうかはわかりません。その回の出来次第といったところかと思います。
イラストの場合、注目させたい部分を描きながら直感的に選びとって、他は省略できる、特に水彩で描くメリットは描き込んだ部分とわざとイージーにサラッと描いた部分が絵の中で混在しても自然な仕上がりになるところ。
色んな意味で境界を曖昧にできるところが良かったりします。
それから仕上がりのテイストを統一出来るところ。先ほど書いた「爽やか」とか「古風」といった、曖昧なイメージでも作れてしまうのです。とはいえ「別のテイストで描いて下さい」と言われると「え、ちょっと…」となりますが。

「トレースでしょ」などと思ったりする人もいるかもしれませんが、実際はトレースの方が面倒くさいですし、トレースだと絵が小さくまとまってこぢんまりしてしまう。トレースにするぐらいだったら、写真を使った方がページとしてはましな仕上がり(先ほど書いたような)になると個人的には思います。
補足ですが世間的には所謂「トレース」した絵を蔑む傾向がありますが、私個人は仕事なんだし、自分で撮った写真をトレースして作品にするのは別に悪いことじゃないと思います。
私があまりトレースをしたがらないのは、若い頃からデザイナーをしていて、手作業の時代は「写真のアタリとり」という写真トレースと似たような作業を日々散々こなしていたというのと、『アンフラマンス/梱包されたデュシャン』という本でデュシャンの絵をひたすらトレースするという地獄の1年(約)を過ごしたことから「もうトレース作業は一生分以上目一杯しました、こりごりです」となりました。そういう事情があります。(ちなみに『アンフラマンス/梱包されたデュシャン』は本名でクレジットされてます)

現在、イラストを描く作業は写真を見ながらコピー用紙に鉛筆スケッチし、そのスケッチに直接描くのは嫌なので、というか鉛筆の線は不要なので、上からやはり白紙のコピー用紙を重ねて、下からライトボックスの光を当てて描きます。
とはいえ実際に筆で描いている時は、光が邪魔をして正確な色が見えなくなるし色を塗れば下絵の線も見えなくなるので、ライトを点けて作業をするのは物の位置関係を大雑把に把握する程度になり、またスケッチの形にこだわりすぎると、やはり画面構成が伸びやかさを欠いてしまうので、鉛筆スケッチはほんの目安程度のものだったりします(それ以外にクライアントにどのような絵を描くか事前に提出しないとならないので、鉛筆スケッチはそのラフの為に使ったりします)。
コピー用紙を使うのは、単純に経費節約のため。コピー用紙に水彩だと紙がうねっちゃって大変なのですが、画用紙を板に水張りして描くなどといったような高級なことは出来ません。

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このようにうねった紙のシワを色調節しながら丹念に消すざます

2ページで大量の絵を描く(前回は大小合わせて26カット)のでスピード勝負になり、描き損じたらすぐ破って捨てて、すぐ描き直すという繰り返し。時間が無くて描き直せない場合は、いくつかある裏技を使って修正し、それでも駄目ならパソコンで修正、という案配。それでもまあ、時間がかかります。
タブレットを使ってパソコンで描けば」という意見もあるかと思いますが、これはまあ「好きじゃない」としか言えなかったりします。パソコンで描くということは職業柄今までうんざりするほどしてきましたが、単純に向いていないというか本当に嫌いなのでしょうがない。鬱になるというかそうなりかけたこともあります。そのうちそんなことも言ってられなくなるかもしれませんが…。まだ大丈夫なうちは出来るだけ紙に水彩で、と。
パソコンで描いた他の人の絵を観る分にな嫌いじゃなかったり、「素敵だな」と思ったりするんですが。
という訳で、今のところは周囲の理解もあってスレスレ成立していますが、悪い方向に転ぶとすぐ連載終了となる、危ういページでもあります。

最後に大将が「でも、アレだよな、今回お前の名前載ってないよな」
私「そうなんですよ、編集部が載せるの忘れたんですよ、こんだけ頑張ってるのに。ひどい話ですよ」
例によって半笑いの会話です。