ネチカ 〜野良学的秩序によって証明された〜

世間をゴロニャンと斬りまくる、ネコの哲学、だったけど最近は日記。




AとKの話なんか大っ嫌い

遅ればせながら
2018年2月も終わろうとしていますが、ふとした時に、生きているぞ、活動しているぞ、などとご報告をさせて頂ければと。
さて2017年は前回5月のご報告以降、雑誌『散歩の達人』では順調にお仕事をいただいておりました。
以下にそのあらましを。

 

散歩の達人10月号』柏・松戸・流山大特集(2017年9月21日発売)
手賀沼一周20kmポタリング」(63〜65ページ)。

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千葉県の手賀沼を取材しました。

担当編集者さんによると手賀沼は特集圏外の我孫子駅が玄関口ですが、柏市にかかる部分も多いということで組み入れることにしたそうです。
ランナーの人にはおなじみの場所みたいですが、私は全く知りませんでした。

東京から快速約40分で到着。そこには広々とした大自然が広がっています。基本はポタリング(自転車を使って、ゆったりと散策することを最近はそのように言うそうです)がおすすめなのですが、歩いても楽しいです。私は編集者さんと自転車で1日、単独の歩きで1日取材しました。
担当編集者さんと散策していると結構ネタが豊富で、手賀沼に向かう途中にある『白樺派』の文豪達の邸宅跡も含めて紹介すると、2ページだと足りないのではとの判断で急遽1ページ追加され、全3ページに。

 取材時の8月末頃はまだ暑く、水田の稲穂が青々と眩しい時季。沼には野鳥が多く生息していて、鵜、鴨、カイツブリ(たぶん)、白鳥などが多く、とくに白鳥はかなり近くで眺めることができます。というか白鳥のフンがそこら中にあります。
フンづけました。

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間近に白鳥が

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足下に茶色くポツポツ見えるのが白鳥のフン

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昼寝してる猫と

治水設備なども多く、緑の中にポツポツとマシニックなものが設置されていたりもします。巨大な送電鉄塔の隊列がサイクリングロードと交差していて、この眺めも圧巻。「北千葉導水ビジターセンター」から流れ出す美しい奔流はずっと眺めていても飽きないです。

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鉄塔をたくさん描き込む

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ヨーロッパ風の風車もあり

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「北千葉導水ビジターセンター」から流れ出す奔流

イラストはとにかく緑を爽やかに仕上げたいと思って作成し、それにはある程度成功したのですが、沼本体の色を濃くしすぎて大失敗。後にPhotoshopで沼の色だけ大幅に修正しました。
そしてイラスト完成後、あまりにも楽しかったので妻も伴って10月に再訪。描いたイラストMAPの印象と、実際の風景にあまり違いがなかったので一安心。
心残りは『白樺派』関連の史跡などをもっと詳しくレポートできれば良かったなと。

個人的には『杉村楚人冠記念館』がオススメです。

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後日、妻と再訪

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コ・ビアンのチキンカツ定食

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『大正煎餅 木川商店』 あげせんべいがオススメ

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スワンボートもあり


 

散歩の達人12月号』川越・秩父大特集(2017年11月21日発売)
「クレアモール徹底案内」(22、23ページ)。

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 観光地川越の蔵造りの一帯ではなく川越駅前からつづく商店街クレアモールの紹介。
10月頃の取材だったのですが、とにかく雨に降られて難儀しました。編集者さんの案内で訪れた丸広百貨店の屋上遊園は、日本国内屈指と言って良いほどの規模(とはいえどのアトラクションもミニサイズでカワイイ)。なのですが、どれも雨で乗れず。でも皆さんにはぜひ楽しんで欲しいなと紙面では紹介。youtubeにアトラクションに搭乗した映像があったので見てみると、これまた楽しそうで悔しいかぎり。

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丸広百貨店』の屋上遊園地がすごい

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THETAでパシャリ

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雨降りで難儀

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丸広の向かいの『西雲寺』は静かで落ち着きます

商店街の『大澤陶器店』はとにかく品揃えが豊富で、そのマニアックさは京都丸太町の『京陶器ハセガワ』と張るぐらいです。ただしハセガワさんはデットストックなので安いですが、大澤陶器店さんは新品なのでお値段は高めです。
一週間後に妻を伴っての再取材を試みた日もやはり雨。けれども再訪した『大澤陶器店』さんで素敵な箸置きを発見、『KOME山田屋』さんでごじる豆を購入、『靴の早川』の看板の女の子を発見などして、なかなかよい材料を集めることができました。
イラストはとにかくギュッと詰め込んで、一見して派手な感じにしようと心がけました。

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妻が作ってくれた「呉汁」

後日、妻が買ってきたまめで「呉汁」を作ってくれました。
心残りは近所だったのに『斉藤ごぼう店』を紹介するのを忘れたことです。
惜しくも川越ランデヴーならず。

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『大澤陶器店』の箸置き

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小江戸 蔵里(くらり)』で色々といただく

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発酵食品と地酒の『角屋』

 

散歩の達人2月号』巣鴨・大塚・駒込大特集(2018年1月20日発売)
駒込の4銀座商店街はしご」(42〜45ページ)。

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駒込にある「霜降銀座」「染井銀座」「駒込銀座」「田端銀座」の4つの銀座商店街を4ページにわたって紹介するイラストマップとルポ。
とにかく今までで最大の物量の上に年末年始にかかり、さらに年明け2日から夫婦で韓国旅行に出かけることが決まっていたので、それまでに仕上げなければならないというスケジュール。
今回は編集者さんの要望で飲食店が多めなので食べ物を描くことが多く、上手に描けるか心配だったのですが、おおむねキャプション無しでも見分けられるぐらいには描き分けられたかと思います。とくにいちご大福と豆大福が上手にいったかと。
そしてお店の店主等、人物を多く登場させ、店内の様子を描いたものも入れました。店内の様子を描く場合もやはり360°カメラTHETAは大活躍でした。

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霜降銀座

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駒込銀座

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「あんぱちや」店内

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なんちゃって「純米大吟醸 散歩の達人

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夕方の田端銀座

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あえなく掲載拒否されてしまった某喫茶店のチョコパフェ。抜群に美味い。

そのようなわけで、通常見開き2ページのところを倍の4ページに4つの商店街を詰め込み、いつも締め切りを大幅に遅れてしまっている仕上がりをかなり早めるというチャレンジ。
クリスマスと年越しはサラッと祝って仕事に没頭し徹夜を続けて、1月2日に旅立つ直前の朝6時に完成させて入稿。
途中で妻には「無理だったら旅行キャンセルするよ」と何度も言われましたが、なんとか達成。そのまま頭ぐるぐるで羽田に向かい機上の人となりました。

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「三木酒店」の店内

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生活雑貨「あんぱちや」の店内

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『珍々亭』の麻婆茄子定食

 

さて『散歩の達人』の12月号と2月号を作っている間に、ムックの仕事の依頼を頂き、そちらの仕事もしていました。

 

旅の手帖MOOK『散歩の達人 埼玉』(2018年2月1日発売)
「素敵にディープな西川口」(34ページ)。

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散歩の達人』グループの統括編集長になられた武田さんの案内で西川口を散策しました。
実は20年近く前に2年ほど西川口に住んでいたことがあって、その時は治安が悪くてあまり良いイメージはなかったんですよね。私が妻と暮らしていたのは風俗街がある西口方面ではなく東口を出てしばらく歩いていった所ですが。
で、今回は武田さんの案内で西口方面へ。俗に「NK流」と呼ばれた違法風俗店は姿を消し、跡地は新興チャイナタウンと化していました。
治安がどうとかは別にして、かなり面白い街に変貌。
が、与えられた1ページでは描ききれなかったことが本当に多くて、心残りな部分が多いです。
例えば西川口は商店街ごとの街灯が工夫されたデザインのものが多く、西口だけでも10種類ほどあったのですが、残念ながら全くそのことには触れられず。それからちょっと良い感じの古本屋さんも…。

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地図で軽く触れた「バンコックストアー・アジア物産」の店内

作業は「駒込の4銀座商店街はしご」よりも早くすませてしまい、ここで「やきとり次郎」の店内を描いてなかなかうまく描けたのが切っ掛けで、「駒込の4銀座商店街はしご」でも紹介する店舗の店内を多めに描くことにしたわけです。

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「やきとり次郎」店内

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カスク・アンド・スティル」の女性バーテンダー

ちなみにこのMOOKには2年ほど前の『散歩の達人 1月号』大宮&浦和大特集で掲載された「浦和のレトロ商店街×2を行く」というイラストMAPを再構成して「浦和レトロ商店街を探検!」(30〜31ページ)というタイトルで再録されています。

 

さて2017年の仕事はこのようにあたふたと過ぎていきました。
デザインやイラストの仕事だけでは食べては行けず、派遣のアルバイト(平和島の某酒屋チェーン『K』の倉庫)で凌ぐようになり、生活が激変して妻には苦労をかけてばかりです。
普段アルバイトに出ていることは、以前からの仕事先の人々には、積極的ではないけれども聞かれたり、必要があれば素直に伝えるようにしています。隠そうかなと、ふとよぎったのですが、面倒くさいのでそれはやめました。

以前の付き合いと歴然と変わる人もいれば、変わらない人もいます。
例えば今回「韓国に旅行にいくんですよ」と話したら、「ん?」と、微妙な顔をされる人が何人かいらっしゃいました。
そのようなうっすらとした何かを感じることはありますが、仕方ないです。
普段贅沢せずにお金を貯めて、旅行ぐらい行きますって。とびっきり楽しい貧乏旅行ですけど。

幸いアルバイト先では気持ちよく働けているし、何より安定した収入が確保できるのはありがたい。
毎月の仕事量と収入を気にして胃の痛くなる思いも緩和されたし、クライアントに対して必要以上に媚び諂うことが減りました。何より人が一日働いて得られるお金の最低限の水準というのが自分なりに目ぼしがつくようになったのは大きいです。

ただ自分が今まで「井の中の蛙」だったなぁと思うことは多いです。
例えばアルバイト先の仲間に「本業は何なの?」と聞かれたら「『散歩の達人』って雑誌でイラストMAPを描いてるんッスよ」と自慢げになりそうなのをグッと抑えて言っても、
散歩の達人』を知りません。
コンビニに置いてあるのですが、立ち読みもしてくれません。というか今の人々は本当に雑誌を読みません。
だから最近は思いっきり自慢げに「『散歩の達人』って凄い雑誌で大人気のイラストMAPを描いてるんッスよ。キミ達には分からないだろうけどね、フフ〜ン」と半笑いで言うようにしています。誇張してます。
ちなみにエディトリアル・デザインの仕事もしていることは言いません。さらに説明がややこしいので。
ま、よくわからないけど文化的な仕事をしていて、売れなくて食えてない人、ということに落ち着いています。
「いつまでも夢を追いかけてたって」なぁんて言われてしまったこともあります。
夢じゃないんですけどね。

料理に例えれば出来るだけ美味しいものを提供したいんです。
生きるために食物を接種するだけなら味が美味しい必要なんてないんです。世界から美味しい料理が消えても人は生きていけます。絵や音楽、その他の楽しいものがなくったって生きることは出来る。
でも私は楽しみたいし、色々なことで幸福を感じたいと思っています。
そして私に楽しい絵を描く能力があるのなら、思う存分に発揮したいと思っているだけだし、人を楽しませることが出来るのは無情の喜びなのです。