ネチカ 〜野良学的秩序によって証明された〜

世間をゴロニャンと斬りまくる、ネコの哲学、だったけど最近は日記。




コーネリアス繋がり

2019年6月9日(日)
自宅でレイアウト仕事、のつもりが仕事が入って来ず。
たぶんこのまま入って来ないんじゃないかと推測。
毎回の仕事量を契約して決めているわけじゃないですが、
だいたい同じページ数の発注があるので、その予定でスケジュールを空けておきます。
が、たまに予告なく仕事がほとんど入ってこない事があります。
どうしたもんかなと思いつつ、聞くタイミングが難しいのよねん、と。
我々のような仕事では日常茶飯事ですが、他業種の常識はまあ違うだろうなと。
数日前妻に「キミだけ韓国旅行はズルい。なのでここ数年買うのを我慢しているCD等をまとめて2万円分ぐらい買わせなさい」
と、ダメ元で聞いたらまさかのOKが出たので、ちょっと購入したいものを色々と吟味。
ジル・ドゥルーズのアベセデール」や最近ハマり中のスティーヴ・ライヒのアルバム。レディオ・ヘッドの2015年のアルバムやコーネリアスの新譜。ずっと買えないでいたレアなCD等あれこれ選んでいたらあっという間に2万越え。
う〜ん、商品を絞り込みつつ本当は小売店で買いたいけれど、やっぱりAmazonで一括注文だよなぁと。
そんな事を考えていたら、そういえば我が家のテレビはヘタリ気味で、夏の暑い時季になると画面中央に黒くて太い線が縦に入ってしまうので、毎年の夏場は「いよいよ買い替えか…」となっては涼しくなると持ち直す、の繰り返しなので、CDとかは我慢してテレビかな、と。
夜に録画していた「ファイト・クラブ」を観る。ガチガチのマチズモ映画っぽいので敬遠していたのですが、國分功一郎さんが「暇と退屈の論理学」などで引用していたりしたので、機会があれば観ようと思っていた映画。デヴィッド・フィンチャー作品としては一番面白いし、「ゴーン・ガール」にも出てきた超絶一人芝居や、VFX、サブリミナルと、映画としての語り所も非常に多いのですが、私はあまり共感出来ない感じでした。ファイト・クラブ的な存在を求める心性ってわからなくもないし、私にとっては倉庫でのアルバイトがそれに近しいものはありますが、正直生活かかっているので。「恵まれた人の戯れ事」というのはソレで良いのだけど、全ての人(男性)に普遍的なテーマとして語られると違和感を感じてしまうのでした。あとフィンチャー独特のメタリックな質感の画面って、苦手だなぁと改めて思ったのでした。

2019年6月10日(月)
妻が深夜3時頃に帰宅の様子。寝ていたのでうろ覚え。
朝、妻は珍しく寝坊して出勤。
私もそのまま起きてメールを確認してみたが、やはり追加の仕事は入って来ませんでした。まるまる一日分損した勘定。
良い機会なので今後やりたい事や、やるべき事の整理など。
そう思って、まずは書きかけの日記をUPして、いただいたブコメを読んだら、そういえばなんか気になる映画はあるかなと。
調べたら、下高井戸シネマでちょうどアルフォンソ・キュアロン監督の「ROMA」が掛かっている。
間に合う時間だったので「これは呼ばれてる」と思い立って映画館へ。
久々に美しく素晴らしい映画に出会えました。一見すると物語やストーリーらしいものが見当たらないように感じられますが、画面の細かい部分や出来事に注目すると、豊かなドラマが立ち上がってきます。また非常にスリリングでもあります。
情報量がとても多い画面(音も含め)なので、一回だけでは全ての意味を酌み尽くせない映画。
残念だけどお金も暇もないので映画館で観れるのは今回の1回きりかなぁと(とはいえNetflixに加入すればすぐ観れますが)。
初見で映画評論的に言うと
「階級や差別などもあるし、不幸とも幸福とも言えない、けれども愛すべきささやかな生活は、ほんの数軒先の交差点を過ぎればいとも簡単に壊れてしまうかもしれない。だからこそ監督自身の幼少期の体験でもあるメキシコのとある街の日常風景が、はかなく美しく立ち上がってきます」てな感じかしらん。
おー宇多丸さんとか町田さん的。
と言っても帰宅してから調べたら(同じ事言ってちゃ恥ずかしいので)彼らは監督のインタビューに基づいてもっと社会派的な視点から映画を語っていました。
で、私としてはそこまで「ザ・社会派」な映画には感じなかったぞ、といった所。
そして観終わってすぐはぜんぜんだったのに、帰りの電車や道すがら映画の内容を思い出すと妙に泣けてくるという困った映画でもありました。
ちなみに舞台は1970年代メキシコの「ローマ」という街の話ですが、以前コーネリアスのライブツアーのドキュメンタリーを観ていたら、メキシコでもライブをやっていて、現在のメキシコは「とにかくカルチャーが盛り上がってる」感じだそうです。で、コーネリアスと言うと前日の「ファイト・クラブ」とも繋がったりしちゃったりします。
それからこの日はちゃんと雨がふったりしてました。